Dio-maga(ディオマガ)

【トピックス】メガネ男子と黄色い声 @朝日町立宮宿小学校モンテディオ山形「夢クラス」

体育館に飾られたボードには「ウェルカム」の気持ちが伝わってくる。

ゲストティーチャーは栗山直樹選手と富居大樹選手。「スポーツ県民歌」が流れるなか、朝日町立宮宿小学校の4年生、31名が作るゲートを通過して体育館に入場した。

子どもたちの人数は多くなかったが、鬼ごっこ、ドリブル対決、PK対決とたくさんのレクリエーションで楽しい時間を過ごした。

子どもたちの質問に答える栗山選手。サッカー関連の質問が多かった。

そのあとは児童代表9人が夢を発表。「お医者さん」「ピアニスト」「水泳選手」「女子プロ野球選手」など、将来なりたい職業と、なぜそう思ったのか、そのためにしていること、これからしたいことなどを詳しく発表する姿を聞いていた選手2人が、今度は子どもたちにスピーチをする番になった。

栗山選手は「その夢に向かって歩くことを楽しんでください」ということとともに、もう一つ伝えたいことがあった。「お父さん、お母さんにちゃんと感謝してください。いまみんなが学校で勉強できてるのも、お父さん、お母さんが頑張ってお仕事をしてくれて、みんなを学校に行かせてくれてるから。野球や水泳をやらせてくれてるからだと思うんです。だから、その感謝を大人になるまで絶対に忘れないでください。自分が大人になったら、それがどれだけすごいことかというのがわかると思います」

「栗山選手がほとんどいいことを言ってくれたので、僕は短めに」。そう言って話し始めた富居選手も、2分半のスピーチには熱が込められていた。「『誰かのために』というのは絶対に自分のプラスになると思う。自分もまだまだいっぱい夢を持ち続けています。夢に期限はないと思います。何歳になっても夢を持ち続けて、その夢に向かって努力し続けていけば人生は楽しくなると思うので、これからも努力を続けて夢に向かって頑張っていってください」

子どもたちのエールはリーダーがちょっと失敗してしまい、2人はこの笑顔。

恒例の集合写真撮影では、選手2人は最前列中央に陣取ったが、富居選手は隣の男子児童の頭に手を置くなどなれなれし…いや、フレンドリーに接していたが、突然、その子がかけていた眼鏡を外し、自分でかけるなど、1対1の場面ではなかなかのイジりっぷり。撮影時の合い言葉は「栗山選手は?」「かっこいいー!」、「富居選手は?」「かっこいいー!」。ちょっと面食らったような笑顔の2人。

富居選手は写真撮影でと隣になった男子児童が気になる様子で…

眼鏡を奪い、自分でかけていた。

体育館を出る選手たちをハイタッチで見送る子どもたち。

お見送りは再び体育館の出口に並び、ハイタッチで。そこで信じられないような光景が。体育館を出た栗山選手が振り向き手を振った瞬間、数人の女子児童から「キャーーッ!」と黄色い歓声が上がったのだ。栗山選手の奥で富居選手が手を振ると、ここでも「キャーーッ!」。ファン・サポーターから多くの声援を受けるモンテディオの選手たち。しかし、ここまで黄色い声援を受けることがいまだかつてあっただろうか。ある女子児童は「手、やばい」とハイタッチしたばかりの手を、どこにも触るまいと頭上に掲げていた。

校舎を出るときにもお見送り。宮宿小のおもてなしは手厚い。

車が出発するまで手を振る子どもたち。大歓迎を受けた栗山選手と富居選手は岐路に着いた。

「夢クラス」では通常、選手が会場を後にすれば、子どもたちはそれぞれの教室に引き上げたり、帰りの準備を始めることが多い。しかし、ここで先生。「昇降口でお見送りしましょう!」

選手たちが校長室でお礼の挨拶をする間、昇降口から外に出た子どもたちのボルテージはさっきよりも上がっていた。そして選手が姿を見せると、またしても「キャー!」。アイドルのコンサート会場で聞くようなあの声だ。そしてここでもハイタッチ。列は校舎の出口から帰りに乗る車まで続き、車が出発する際にも多くの子どもたちが手を振って見送った。

(文・写真=佐藤 円)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ