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【山形vs町田】レポート:思惑と結果、そして危機感

■2017明治安田生命J2リーグ第4節
3月17日(土)山形 2-2 町田(14:03KICK OFF/NDスタ/7,732人)
得点者:9’戸高弘貴(町田)52’アルヴァロロドリゲス(山形)83’阪野豊史(山形)89’ドリアンバブンスキー(町田)
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「自分たちの基本フォーメーションは4バック」

町田とのホーム開幕戦を前に、木山隆之監督が語った言葉だ。しかし、町田戦では3バックの3-4-2-1を準備し、実際の試合にも今シーズン初めて、そのシステムで臨んでいる。開幕前のキャンプ中にもほとんどトレーニングしていない3バックを今節採用したことには、もちろん理由がある。そのうえで、「前半は少し苦労するだろう」と選手たちに話をしていたという。

町田は4-4-2の陣形をボールに対してコンパクトに保ち、ハードワークするチーム。縦にも横にもコンパクトにする分、空いているスペースは大きい。しかし、そこへボールを出される前に、早い切り替えで強烈にプレッシャーを浴びせて起点を潰し、潰しきれずに展開されても素早いスライドで相手に優位な状況を作らせない。体力の消耗を伴うが、徹底してやりきることができれば、よほどポゼッションに長けたチームであればともかく、木山監督は少なくとも、町田がフレッシュなうちは、主導権を握った状態でボールを動かせる可能性は低いと見ていた。

ただし、木山監督は「90分終わった時にしっかり勝負をつけられるようにという話をしていました」とも話している。双方の特徴や力関係を客観的に見つめたうえで導いた答えは、「勝負は後半」。相手の運動量が落ち、コンパクトな陣形が緩んできたその時だ。前半から「ワイドをしっかり使いながら横に広げていくこと」と「背後に走りながら相手を後ろ向きにしていく作業」を続けることで、「後半になって少し間が空いてきた時に我々のほうがボールを持てる展開になるだろうと思っていた」との読みがあった。

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