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【頼コラム】将棋×サッカーコラボイベント2018 5/13大宮戦で開催!

DAZNでモンテディオ山形のホームゲームが中継される際、その冒頭で実況の清水春樹アナは毎回「会場は、将棋のまち山形県天童市にあります、NDソフトスタジアム山形です」と一言添える。これがとてもいいなあと思っている。他クラブのサポーターの中には、NDスタが山形市にあると思っていて、いざ初めての山形遠征という時になって「えっ、天童?」と思う人もいるかもしれない。でも、山形のホームゲームは将棋の町でやっているんですよ、というアピールを続けることで、「将棋の聖地めぐりを兼ねてアウェーに応援に行こうか」と思う人が出てくることだってあるのではないかと思うのである。

清水アナが山形の試合の実況を始めたのは2015年の途中からだったと記憶しているが、最初の頃は「将棋のまち~」のくだりは入っていなかった。私の感触では、2016年5月の将棋×サッカーコラボイベントに元日本代表の小村徳男さんが来場した頃から入ったのではないかと思っていた。この時小村さんは渡辺明竜王(当時)と飛車落ちで公開対局を行い、その後、スカパー!で試合を解説した。中継の終わりに清水アナが小村さんに対局の結果を聞き、「勝ったんですか!?」と驚いていたのを覚えている。

だから、きっとこの出来事がきっかけになって「将棋のまち~」を入れるようになったに違いない、とずっと思っていたのだが、先日練習場でお会いした時に尋ねてみると、「確かに時期的にはその頃だと思いますが、直接の影響はないです」と否定されてしまった。なんでも、親交のあるアナウンサーの方が栃木のホームゲームの実況を担当した際に「餃子のまち云々」という紹介を入れているのを聞いて取り入れたとか。
そ、そうか、無念……。いや、それでもきっと清水アナが自分でも気づかないうちに、将棋×サッカーコラボイベントはその深層心理に働きかけていたに違いないのだ。そういうことにしておこう。

というわけで、各方面に多大な影響を及ぼし始めているモンテディオ山形の将棋×サッカーコラボイベントが今年も開催される。第一回が間近に迫った5月13日(日)大宮アルディージャ戦だ。
http://www.montedioyamagata.jp/match/home-game/2018j214-5.html
天童市民応援デーとして行われるこの試合は、「目指せ観客1万人!!」と銘打って、天童市さんもかなり力を入れている模様。プロ棋士と地元の小学生との特別公開対局やトークショー、指導対局といった恒例の内容に加え、中島清吉商店さんによる彫駒の実演や、将棋キックボウリングコーナーなど子どもたちが参加しやすいコーナーも設ける。
さらに今回は、チームの協力を得て「選手サイン入り将棋駒型根付」をプレゼントとして用意しているそうだ。いいね! そういう企画を待っていた!
2013年に野月浩貴七段(当時)と将棋サッカー漫画「ナリキン!」の作者である鈴木大四郎先生を招いて行われた第1回から数えて10回目(今数えたらちょうど10回目で驚いた)。将棋のまち天童のスタジアムで行われる将棋×サッカーコラボイベントに、ぜひ参加してくださいね!

■参考資料①ゲスト棋士
◉野月浩貴八段
将棋×サッカーコラボの仕掛人。他にもいろいろ仕掛けているので大忙し。そんな中で昨期の順位戦では全勝でB級1組に昇格。先日、将棋系サッカーライターのいしかわごうさんと会った時に「最近の野月先生は超忙しくて」「サッカーを観に行く時間もないらしいじゃないですか」「そう、野月先生がサッカーを観に行けないって……」「かなりの忙しさですね」という会話をした。要するにそういう方である。直近ではこんな興味深い記事も。
Number Web
ミシャサッカーを将棋的に見ると?野月浩貴八段が驚く「選択肢と手数」。
http://number.bunshun.jp/articles/-/830649

◉阿久津主税八段
第2回コラボイベント(2014年6月)以来4年ぶりの来場になるが、相変わらずの貴公子ぶり。羽生善治竜王が育ったことで知られる八王子将棋クラブの出身棋士の一人である。記憶に新しいのは一昨年の人間将棋。ニコニコ生放送で初めて人間将棋が生中継されたのが郷田真隆王将(当時)と阿久津主税八段の対局だった。将棋もさることながら、武者言葉のやりとりに視聴者が大盛り上がり。ニコ生会員の方はタイムシフトでぜひ。
ニコニコ生放送
第61回天童将棋まつり 人間将棋2日目
http://live.nicovideo.jp/watch/lv255413216

◉西尾明六段
西尾六段も第2回コラボイベント(2014年6月)においでいただき、目隠し将棋を披露していただいた。プロ棋士なので、コンピュータに強い、までは理解できるがギターもセミプロ級とはどうしたことか。プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトが対局した棋戦「電王戦」のテーマ曲を作曲・演奏している。

電王戦テーマ曲『Transmission』発表!
http://www.nicovideo.jp/watch/1459344135

◉宮本広志五段
昨年の船江恒平六段に続き、関西からおいでいただく宮本五段は初来場。最近の将棋ブームで将棋界の情報がかなり一般に行き渡り、「26歳までに四段(プロ)になれなければ奨励会退会」という厳しい制度もかなり知られてきたと思う。しかしこの宮本五段は28歳で四段昇段というドラマチックな昇段劇を経てプロになった。そのあたりの話もトークショーで聞くことができるかも。

■参考資料②コラボイベント開催試合の勝敗
2013 5.12 ●0−1 vs札幌
2014 6.28 ●0−1 vs磐田
8.17 ◯2−1 vs札幌
2015 5.7 ◯1−0 vs横浜FM
9.12 ●1−3 vs広島
2016 5.7 ◯3−1 vs群馬
9.18 ◯2−1 vs徳島
2017 7.22 ○3−0 vs湘南
11.19 ◯4−1 vs岐阜
なんと4連勝中である。J1時代に広島に敗れたのが今となってはいかにも悔しい。

■参考資料③
コラボイベントの存在は将棋ファンの間にもじわじわと浸透していて、前回(昨季最終節)のコラボイベントの様子は将棋フリーペーパー「駒doc.」(発行/ねこまど)さんに取材して記事にしていただいた。
こちらのバックナンバー2018年春号に掲載されているのでぜひ。
http://komadoc.jugem.jp/?cid=6

■参考資料④モンテディオ山形の選手に聞いた「自分を将棋の駒に例えると?」
前節讃岐戦の先発メンバーが自己申告した「駒」はこちら。(大宮戦予想メンバーではありません!)

フェリペ選手には聞いておらず、安西・熊本選手は将棋は全くわからないとのこと。駒に例えたら何か、皆さんで考えていただくのも楽しいかも。

文・写真:頼野亜唯子

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