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【トピックス】緊張とプレッシャーの中で蹴ったボールは…? 夢クラス@白鷹町立東根小学校

児童たちが発表した夢に応えて真摯にコメントする2人。
熊本「小さい頃からサッカー選手になりたい夢を持っていました。振り返ってみると夢を諦めようとしていた自分がいたけど、夢を実現するという強い思いを持って取り組んできました。皆さんも夢を叶えるために、毎日毎日夢に向かって取り組んでください」
北川「楽しいことは誰だってできるけど、嫌なことや辛いこともあります。そういうことにも積極的にチャレンジしてください。僕も逃げちゃいそうになるけど、毎日やっていけば夢に近づいていけます。あと、一人の力じゃ夢を叶えることは出来ないと思うので、仲間や兄弟、両親や先生。夢に向かっていく中で、支えてくれる人を大切にしてください」

今年2回目の夢クラスで白鷹町立東根小学校を訪問したのは、今季注目の大卒ルーキー北川柊斗と熊本雄太。大学時代に小学生のサッカーチームでコーチをした経験こそある2人だが、こういった小学校に訪問して児童とふれあう機会は初めて。
最初はやはり緊張していたが、しっぽ鬼や夢の発表を聞きながら少しずつ児童と仲良くなっていき、最後は良い雰囲気で終了。

「だんだんいい雰囲気になってパワーをもらいました。めちゃめちゃ楽しかった」(北川)
「僕が小学生の頃を思い出しました。僕の頃よりちゃんとしていたのですごかった」(熊本)

と、子供たちに将来の夢を与えながらも、お返しに明日からのエネルギーを受け取る素敵な夢クラスにできた。

しかし、そんな楽しい時間を過ごしたはずなのに、ちょっと複雑な顔をしていたのは熊本雄太だった。

もちろん2人とも児童に良いところをちゃんと魅せる。
「リフティングのコツを教えて欲しい」と言われて実演した北川は、座りながら器用に足を上げてボールをくぐらせて拍手を浴びる。「ボールをちゃんと見て蹴ること」「毎日しっかり練習すれば絶対にうまくなる」とアドバイスした。
熊本もしっぽ鬼では北川より活躍し、ディフェンダーとしての面目を保った。

問題の場面は自己紹介のあと。「じゃあまずは、選手のみなさんの素晴らしいプレーを見せてもらいましょう」という、ちょっとハードルが上がる先生の振りに応えて、選手が格好良いプレーを見せる時間だ。
向き合ってボールを何回か蹴り合ったり、強烈なシュートを披露したあと、ミニゴールが体育館の端に移されると、「児童たちの頭の上を越えてゴールする」という、ちょっとスリルのあるゲームになった。

最初にノープレッシャーでボールを蹴ったのは、フォワードでシュートが得意な北川柊斗。児童の頭を上手く越えると一発でゴールネットを揺らす。「これがプロだ」と言わんばかりの一発成功に児童たちも大喜びだ。しかし、これで熊本へのプレッシャーはさらに高まってしまう。

続くのはセンターバックながらもフィードには自信がある熊本雄太。しかし、自身の緊張に北川のゴールでプレッシャーも加わったのか、1回目を大きく外すと、2回目、3回目もドツボにはまり決めきれず。思わず頭を抱え込んでしまった。

そして、夢クラスの最後に集合写真を取り終わったあと、帰る直前にも熊本が「リベンジしたい」と再チャレンジ。しかし今度は児童たちから湧き上がる「くまもと!くまもと!」という熊本コールも加わり、それに気圧されたのか、リベンジで蹴った3回でも決めきれずに撃沈してしまった。

リベンジで蹴った最後6回目のキック。これでも決まらず最後は大の字に倒れ込んだ。

とは言え、児童たちもそんなことは全く気にしておらず、最後は笑顔で北川と熊本に一人ひとり抱きつきながら笑顔でお別れ。こんな失敗も選手と児童の緊張をほぐすのに一役買っていたのだ。

ちなみに夢クラス終了後に2人にその話を聞いたところ、こんな会話になった。

楽しかった夢クラスの最後はハイタッチでお見送り・・・のはずが、なぜか一人ひとりハグをしてお別れ。楽しかったという児童たちなりの表現だろう。

Q:熊本選手はシュート6本打って決めきれませんでしたが・・・。
熊本「あれでちょっとサッカー選手やめたくなりました。コイツが一発目で入れたじゃないですか」
北川「サッカー選手だもん入れるよ、普通」
熊本「プレッシャーが半端なかったです」

Q:最後は熊本コールも沸きましたからね。
北川「いやー俺最初に入ってよかったわ」
熊本「・・・もっと練習します」

北川はシュートと一緒にシューズもすっ飛ばす。「やっべー」と苦笑いしながら、児童からシューズを受け取っていた。

なお、緊張してやらかしていたのは、熊本だけでなく実は北川もだ。強いシュートを打つお手本を見せた時に、北川はボールと一緒にシューズまで思い切りすっ飛ばしていた。

まあどちらもおあいこと言ったところだろう。

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