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【トピックス】横浜FCへ完全移籍の瀬沼優司「ものすごく揺れた」その葛藤を語る。

モンテディオ山形の背番号10瀬沼優司が横浜FCへ完全移籍することが26日に発表された。昨年は清水からの期限付き移籍で加入し38試合で9ゴール。6月17日のアウェイ横浜FC戦(◯1-0)で大カウンターから決勝ゴールを決めるなど劇的な活躍も多く、その迫力あるプレーと真面目で親しみやすい性格から、チームのムードメーカーとしても大きな存在になっていた。
今年は完全移籍に切り替えて背番号10を背負うなどクラブとサポーターの期待も大きかったが、公式戦での得点がまだなく、ここ8試合はリーグ戦に絡むこともできなかった。
「残って頑張りたいという気持ちと、環境を変えて心機一転スタートしたいという気持ちの間でものすごく揺れた」
今回の移籍について悩みに悩んだ末に出した結論とその葛藤を、およそ15分間語ってくれた。

○瀬沼優司選手
「言えないことの方が多いっすよ。聞いてくれるのはいいですけど(笑)」

Q:移籍金はいくらかかったんですか?
「移籍金ですか…。でもまぁかなり山形には貢献したんじゃないんですかね、という感じで(笑)そこはクラブ同士の話だし、残すためにやっていたわけでもないし。移籍金とか完全移籍とかレンタルとかは俺の移籍の理由には関係ないですね」

Q:ただ、今年の頭に完全移籍に切り替えてから、半年での移籍となります。
「正直に言うと、自分のイメージしていたチームを去るタイミングとはかけ離れすぎていて。本当にこの地が好きになりましたし、ここにずっといてもいいくらいのつもりで完全移籍してきたから、まさかこの半年で山形を去るという決断を自分自身がするというイメージが沸かなかったというか。今もこうなっていることに自分自身にびっくりというか、全く予想できなかったので。
だけど、移籍すると決めたのは自分自身の答えだし、自分自身の心に従って移籍を決めたから。私情というか、この土地が好きだから、このチームが好きだからとかを抜きにして、サッカー選手としての自分の今の状況と自分のことを必要としてくれるチームに対して、このチームへの感謝の気持ちもそうだし、横浜FCへの感謝の気持ちもそうだし、色々考えて自分で出した答えだったので。
山形に来たのも自分の意思できたし、前の移籍もそうで、愛媛もすごく大好きな場所で大好きなチームで、けどそこに残るのではなく、山形に移籍すると自分で選んで決めたことなので。自分で決めたことなので、自分で責任を持ってやっていきたいと思います」

Q:この半年間はなかなか試合に絡む機会も多くなくて、色々な思いを抱えていたと思いますが。
「歯がゆかったですね。このチームに対する感謝の気持ちもそうだし、好きな気持ちも大きかったから、このチームのために、サポーターの方が喜ぶために結果をなんとかもたらしたいという気持ちとは裏腹に、自分のプレーの質と結果がなかなかついてこなくて、『なんでこんなにこのチームのために何かを成し遂げたいのに、自分が思うようなプレーができないんだろう』とずっと思いながらプレーしていたから、すごく申し訳ないというか、ずっと待っていてくれたひともいたので。
残って頑張りたいという気持ちと、環境を変えて心機一転スタートしたいという気持ちの間でものすごく揺れたところもあるんですけど、最終的には自分で決めました」

Q:(ファンサービスをしているときに)泣いている女の子もいましたね。
「本当にね。たくさんの人が待っていてくれたのがすごく伝わったので。一回僕、試合に絡めなくて、クラブハウスから自分の家に向かう途中で、僕の10番のユニフォームを着てトボトボ歩いているおじさんの後ろ姿が見えて、『本当に申し訳ないな、早くピッチでこの人を喜ばせたいな』と思いながらずっとやっていたんですが、なかなかその機会もなく、こういう経緯に至ってしまったので。
待っていてくれた人たちに対して申し訳なく思うし、このチームでもう一回復活して活躍してそういう人たちを喜ばせるのがベストだと思いますけど、でも自分で決めた以上、チームが代わってしまうのは残念だけど、一選手として横浜で頑張っている姿をなんとしても掴み取って見せて、『あいつ頑張ってるな』『元気でやってるな』という姿を、生では難しいかもしれないけど見せられたと思います」

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