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【トピックス】ハードルは少し高かったけど。 夢クラス@山形市立山形西小学校

「まずは23番の大きな選手。熊本雄太選手と言います。熊本選手はモンテに入って2年目です。大学を卒業してモンテにきてくれました。今も試合にも出ているバリバリのレギュラーです。守りが中心の選手で、おっきいから、どんなボールも跳ね返して攻撃を防いでくれます。最近は、攻めるのも得意になってきて、味方にすごいパスを出して、ヘディングシュートも決めました。最強のディフェンダーです。
26番の選手は永藤歩選手です。永藤選手は、熊本選手よりも歳が下ですけど、モンテに入って4年目です。高校を卒業してからモンテに来てくれて、ポジションは攻めの中心です。前の方で相手のゴールに攻めていくのが得意です。先生が覚えているのは来て1年目の秋に、ちょうどモンテがなかなか勝てない時期があったんです、みんな1年生の頃かな。その時に永藤選手が出てきてゴールを決めてくれました。11月でしたね、長崎だったかな。敵をぐんぐん抜いて、右足でゴールを決めて、モンテの勝利を導いてくれたすごい選手です。
2人とも山形県で一番サッカーが上手いチームのメンバーです」

先生からの選手2人の紹介は、よく聞くと昔のプレーから最近の様子まで妙に詳しく、それでいて「なんか凄い選手だ~」と思わせるようなものだった。
「モンテの試合を見たことがある人~」という問いかけには半数以上が、「じゃあ今年見た人~」という質問には4分の1近くが挙手していたあたり、モンテもなかなかの浸透ぶり。その筆頭が「先生は毎試合見に行くんですけれども」と選手紹介にさり気なく差し込まれていた先生自身なのだろう。
だからなのか、先生や児童からの眼差しは最初から熱く、ハードルも少し高そうだった。

そして始まった選手2人対児童8人のサッカー対決。見学する児童たちの熱い歓声もあって熱いバトルになった6分間は、永藤と熊本が肩で息をしながらも2-1で勝利した。
これで終わりかと思ったら、今度は永藤と熊本が両チームに加わるエキシビションマッチ。さすがに2人はゴール前で休みながらやっていたが、時折ボールを持って前に出ては体育館を沸かせていた。
その後のじゃんけん列車も盛り上がり、児童の夢に対しては、2人の選手がこうアドバイスを送っている。

永藤「僕は、みんなと同じ小学生の頃にはもうサッカー選手になりたいと言っていたけど、ピアノもやっていたことがある。ピアノは下手すぎて諦めたんだけど、小学生の時はただサッカーが好きでみんなみたいにただひたすらボールを追いかけて楽しんでいた。好きなことをとことん楽しむというのはすごく大事。大きくなった時に、辛いことや上手くいかないことがあるかもしれないけれど、努力すれば成長できるようになると思う」

熊本「僕は5歳からサッカーを始めたんですが、きっかけは、保育園にサッカーのコーチが教えに来てくれてから。最初は楽しかったから行きたいと思って練習したいと思っていたけど、小学2年生の時にコーチが変わって、練習がきつくなったときに1回サッカーをやめようかなと思う時期もありました。
みんなは小学4年生ですけど、自分の夢に向かってやっぱり挫折することややめたいと思う時もあるかあると思います。なぜ自分だけ叶わないんだろうという思いもありますが、それでも頑張って続けていればいつかは叶うだろうし、諦めずに自分のなりたい姿をだって毎日頑張ってください。
モンテに入りたいと言ってくれた子もいましたが、本当にそれは嬉しいことで、僕たちプロサッカー選手はみんなに夢を与えなきゃいけない存在なので、そういう風に言ってくれる子を一人でも多く作っていくことが重要。好きな選手や尊敬する選手を見つけて夢に向かって頑張ってください」

夢の発表では、去年夏に配られたサポーターズユニフォームを着た児童が「プロのサッカー選手になってモンテディオの選手になりたいです」という夢も語っていた。

ハードルは少し高かったが、それを乗り越えるための土台も少し高かった夢クラス。児童のノリも良く、リアクションも大きかったのでやりやすかっただろう。

「今日みたいにみんなのノリが良いと楽しくやれる」と永藤が振り返っていた。


児童たちの夢の発表。
漫画家、幼稚園の先生、ピアノの先生、警察官など様々な夢が語られた。


サッカー小僧対サッカー小僧。
ゴールは写真左にあるが、永藤は全力で後方に逃げる。
スペースができたところで、反転してほぼ全員を置き去りにした。


体格を活かしてボールキープする熊本。
後ろの児童たちの声援も熱かった。


児童からの質問に答える2人。

児童「好きなキャラクターはなんですか?」
永藤「みんなワンピース知ってる?(8割くらい挙手)ワンピースのゾロ」

児童「試合後は何をしていますか?」
熊本「疲れすぎてすぐに寝てしまいます」

児童「プロになるためにはどんな練習してる?」
永藤「僕はお父さんがスパルタだった。リフティング100回やるまで帰ってくるなと言われたこともある。お父さんがスパルタならなれるかも?」

児童「強くなるためには?」
熊本「自分に負けないこと」

児童「どうやったらそんなに足が大きくなるの?」
永藤「選手は筋肉をつけるトレーニングをしている」

児童「いつも何を飲んでる?」
熊本「水」

児童「スポンサーはどれくらいいるんですか?」
モンテの担当「選手が着ているユニフォームには5社。それ以外にも大きいものから小さいものまで800社くらいあります。だから皆さんも大きくなったらスポンサーになってください」
永藤・熊本「よろしくお願いします」

文・写真 嶋守生

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