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【ランダムフォーカス】仲間~井出遥也選手

岐阜戦に途中出場した井出遥也選手が、勝利を決定づける2点目を挙げました。前節千葉戦で山形移籍後初ゴールを挙げ、続けて今節、ホームのサポーターの前でのお披露目ゴールとなりました。

9分に柳選手のゴールで先制した後、2点目が取れそうで取れないまま迎えた終盤84分。山岸選手が競り勝って奪ったボールを中村選手が左に展開します。これを井出選手が受け、縦へのドリブルで誘ってから中にカットインしてディフェンダーを置き去りに。最後はフリーで右足を振り抜き、ゴール左隅に決めました。「自分のリズムが出た。落ち着いてゴールに流したのが一番よかったなと思います」と自ら振り返る、会心の一撃でした。

ゴールはもちろんなのですが、その瞬間、ベンチにいた選手たちが一斉に飛び出し、ゴール裏に向かって走る井出選手を追いかけて行く光景には、ジーンと来るものがありました。10番を背負ってピッチに立ちながら、なかなかゴールという結果が出せずに来た今シーズン。それでも、井出選手が倦むことも弛(たゆ)むこともなくサッカーに向き合ってきたことは、一緒に練習する仲間たちが一番よく知っているはずです。だからこそ、その悔しさを晴らすかのような2試合連続ゴールに、チームメートが我が事のように喜びを爆発させたのだと思います。

井出選手自身、「(チームが)勝ち続けていた時に個人として決めきれなかったり、パスがアシストやゴールにつながらなかったり」と、焦る気持ちがあったことを明かしていますが、そうしたモヤモヤを吹き飛ばすかのような痛快なゴール。ここから「乗って行って欲しい」と思うのは木山監督だけではないでしょう。

J2リーグは残り6試合。吹っ切れた10番と、そのことを心から喜ぶチームの一体感が、幸せな結末を呼び込んでくれるに違いありません。

文・写真:頼野亜唯子

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