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【ランダムフォーカス】やすらぎ~坂元達裕選手

愛媛戦では中村選手に続いて自陣からのロングシュートを決めた坂元選手。1本でも珍しいロングシュートが90秒ほどの間に連続して決まったことで注目度が倍増しているようです。

中村選手のシュートは綺麗な放物線を描いてキーパーの頭上を超えゴール中央に決まりましたが、坂元選手のシュートはゴール中央に向かって敗走するキーパーの背中側を狙って打った速いシュート。“先輩”の中村選手は「(ロングシュートが決まるのは)1日一回でいいだろうって感じですけど」と笑いながらも「(キーパーは)下がりながらあの速いボールに対処するのは難しい」と解説してくれました。

この試合の先制点は柳選手のCKからのゴールでしたが、これも坂元選手のキレキレの切り返しから入れたクロスで得たCK。ここ数試合の坂元選手のドリブルや切り返しのキレは、シーズン序盤と比べてもぐんと切れ味を増している気がします。

そんな坂元選手のプレーを警戒してマークも厳しくなっています。愛媛戦後半にも、縦に仕掛けたところでホールディング気味に押さえられ、それでも抜けようとしたところを引っ張られて倒されたシーンが。倒れる時に坂元選手の足が相手選手の足にからんだのか、突き飛ばされたような形で睨み合いになり一時騒然となりました。

「もちろん気持ちは入っているんですけど、自分もイエローカードで(出場停止に)リーチなので、熱くなってカードをもらったらチームにも迷惑をかけることになる。そこは押さえなきゃいけなかったと思います」

試合後にはそう言って反省していた坂元選手なのでした。

選手にとっては張り詰めた日々が続きますが、そんな中で見つけたのが写真のシーン。ラグビー場でトレーニングが行われたある日、クールダウン後の一コマです。指先に止まったとんぼと見つめ合っていた坂元選手。何か心通うものがあったのか、この後坂元選手が立ち上がってもとんぼは指先に止まったままでした。

しばしの安らぎのひとときの後、坂元選手は名残惜しそうにとんぼをそっと草むらに置いて引き上げて行きました。

あのとんぼもまた、モンテファミリーなのかもしれません。

文・写真:頼野亜唯子

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