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【トピックス】最後まで足掻く 相田健太郎社長 囲み会見

第4節・水戸戦(7月11日)、第5節・群馬戦(同15日)のホーム連戦から有観客試合がスタートする。それを前にした9日昼過ぎ、モンテディオ山形の相田健太郎社長がメディア向けにZOOMによる囲み会見を行った。

内容は、新型コロナウイルスの影響を受けるなかでのクラブ経営状況と今後の展望、有観客試合での安全対策、チケット販売方法変更による影響、試合の演出等についてなど多岐にわたる。このままでは終わらない、少しでも良い方向へとといった相田社長の思いをできる限り多くの方々と共有するべく、今回は無料で掲載することとした。

○相田健太郎 株式会社モンテディオ山形代表取締役社長

「皆さま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。今週末の水戸戦から、入場制限がありますが、5,000名のお客様をお迎えして今年初めての(有観客での)ホームゲームを行うこととなりました。毎回お話していることではあるんですが、このような形でお客様をお迎えできるのは、医療に従事されている皆さまと、日常を支えていただいている皆さまのお陰だと、心より感謝申し上げます。

また、リーグ再開にあたって、地域の皆さまのご理解がなければ、アウェイクラブをお迎えすることができないと思います。また、私たちも、他の土地へ行って試合をすることに関しても、やはり地域の皆さまのご理解が必要だと思っております。このような形でリーグができているのも、地域の皆さまにご理解いただき、Jリーグが山形県で開催できることに関しても感謝しております。ありがとうございます。

早速なんですが、本日、皆さま方にお集まりいただき、お話しさせていただくことになりますが、現在のクラブの経営状況といいますか、今後どうなっていくのかということと、有観客試合についてのご説明をさせていただければなと考えております。

まず、私ども、経営の状況ですが、弊社は約700社を越えるスポンサーの企業や会員の皆さまに心より支えていただいております。今回、ほとんどの方々が、お話をさせていただいた際に『心配しなくてもいいから、再開後はしっかり、山形を元気にするために頑張って欲しい』というあたたかいお言葉を頂戴いたしました。本当にそのようなご支援をいただいていることに関しては、心より感謝もいたしましたし、なお一層、結果をしっかり出して皆さまに恩返しをしなければいけないなとも思います。

今季おそらく、我々のようなサッカークラブだけでなくて、野球、バスケットボール、また一般の多くの企業さま、おそらく赤字の決算になるところが多いのかなあと考えています。そういった状況に陥ることが端からわかっているからと言って、諦めてしまうのか。それとも、赤字のなり方と言ったらおかしいかもしれませんが、どういうふうに未来につながるお金の使い方をするのか、もしくは、黒字にするために足掻くのか。それとも、節約に節約を重ねて、とにかくお金を使わずに黒字になるような、もしくは赤字幅を狭くするようにおとなしくするか。大きくこう言った3つの選択肢があるのかなあと考えています。

我々で言うと、まだシーズンは始まったばかりです。可能性もまだまだありますので、私個人としては、会社としてどういう方向性に行くかということを選ぶ場合、2つ目なんですが、赤字になるのであれば、赤字になり方があるのだろうというのがあると思います。未来につながる赤字になることもやり方としてはできると思っておりますし、また端から赤字になるということで諦めてしまって何もしないのではなくて、決定的に最後まで足掻いて、ご協力いただいている皆さまに納得していただけるような結果を、経営のほうでも残したいと考えております。

その足掻くという部分に関して、どういうことをしていかなきゃいけないかというのが次の焦点になると思っておりますが、大きくは3つだと思っています。収入を得られる方法はサッカークラブは3つしかないと思っておりますが、一つは広告の収入を上げていくこと。2つ目に、お客様にチケットをご購入いただいてご来場いただくこと。そして(3つ目として)グッズや飲食を販売すること。大きくはこの3つなのかなあと考えております。

このコロナ禍において、実際に試合をということになると、当然不安だという方々も多いと思っております。実際、我々、今週からチケットの販売を開始しておりますが、なかなか思うように販売できないのかなあと感じているところもあります。

大きな要因として2つあると思っておりまして、当然のことですが、まず、コロナウイルスが首都圏を中心に感染し始めているかなあというところがあると思っております。我々、今回、有観客のゲームをするにあたって、これはもうJリーグのすべてのクラブがそうですが、Jリーグすべてのクラブで決めたプロトコル(手順を定めた仕様・規定)がありまして、当然、専門家の先生方にもしっかりとご指導いただいたなかで、今回からの試合の運営をやっていくような形になります。安心と安全をご提供するための準備を、とにかくスタッフ一丸となってやっておりますので、ぜひご安心してご来場いただければと思っております。

2つ目に、チケットの買い方が少々複雑になっております。今回、このコロナウイルスが感染し始めてからそうなんですが、『新しい生活様式』という言葉をよく耳にされると思いますが、当然、このチケットの買い方一つに関しても同様のことが起きておりまして、どなたが、どこの座席に、どのタイミングでいらっしゃったのか、またどこにお住まいなのかというところまで、万が一のことを考えたときに紐付けた仕組みを作っていかなければなりません。そのために、Jリーグチケット、もしくは我々の場合、楽天チケット、2つの購入の場所を用意させていただいているんですけれども、いままで馴染みのなかった方にとっては非常に不慣れな作業になると思います。ご不便をかけているとは思っております。

我々のほうでも、そういう方が多くいらっしゃることを考え、試合当日、デジタルで購入していただくことが可能です。我々のなかで『チケット相談窓口』というものを、昨シーズンまでチケット販売をさせていただいた場所に設置させていただいて、その場で購入していただける方法等をしっかりとご案内させていただくような準備もさせていただいております(オンラインでの購入をお手伝いし、相談に乗る窓口。実際のオンライン購入は相談者自身がする形式)。また、今回だけではないと思っておりますので、地域の皆さまにどういった形で購入していただくことができるかということも併せて展開していければと思っておりますので、なかなか難しいとは思いますが、ぜひチャレンジしていただき、ご来場していただければと思っております。ぜひ、そのあたりに関してはご協力いただければなと思っております。

もう1点、現状、チケットの購入をしていただけるのが、試合が始まる1週間前からとなっております。なかなかタイトな日程だとは思うんですけれども、クラブのほうからも積極的に、チケットの販売が始まる日に、多くの皆さまに周知していただけるように、我々のアナウンスも徹底してやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

最後になりますが、地域への貢献という意味では、私たちができることはまだまだあると思っております。じつは今回、シーズンシートをご購入いただいたお客さまに、全額返金というご対応をさせていただくんですけれども、そのなかで、寄付のご案内もさせていただいております。今回、寄付をしていただいたお客さまへの返礼品として、地元の特産品を詰め合わせにさせていただきました。我々のクラブだけがお金があればそれでいいということではなくて、地域の皆さまにも還元できるような形を今後も引き続き積極的にとっていきたいと思っております。

そして、我々、今後試合をしていくなかでも、地域の多くの皆さまと今後、お取り組みをしていければなあと思っております。特に今年に関して言うと、多くの方々が、自分のやってきたことを披露する場を失ったということを感じております。特に学生。小学生、中学生、高校生、大学生の皆さま、特に最終学年の方ですね。いままでやってきたことを披露する場がなくなってしまった、そういう方も多々いらっしゃると思います。また、年に1回のお祭りに合わせていろんなことを練習してきた団体の皆さまもいらっしゃると思います。さまざまな思いがあるなかで、やめたくもないのにやめざるを得ないということも多々あると思っております。我々はそういった方々からの相談、問い合わせを多く頂戴できればなあと思っております。

僕たち、モンテディオ山形はプロサッカーチームではあるんですけれども、地域の皆さまに使っていただくプラットフォームでもあると思っています。できること、できないこともあると思いますが、お話をいただければ前向きにしっかり考えて、いろいろとお話しできればと思っております。ぜひご相談をお待ちしておりますので、我々に一言、声をかけていただければと思っております。

今シーズン、半年間で残り39試合を行いますが、我々、会社全員、選手、監督、コーチングスタッフ含めて会社全員、山形県のプライドをもって戦っていきますので、皆さまのあたたかく、熱いご声援を引き続きよろしくお願いできればと思います。どうもありがとうございました」

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