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【2021 MOM of the year選考会議/vol.1】あのお騒がせした件についてと、いろいろあった今シーズンをざっくりと振り返り

優勝宣言から一転、クラブ初の監督解任

嶋 では、本編にいきましょうか。去年の流れとほぼ同じような感じで、シーズンを振り返ったり、投票結果を見たりしながら順位の振り返りというところと、特別賞を決めたりしていきましょう。とりあえず、今年1年間の振り返りですね。

円 すみませんでした!

嶋 早い早い。今年はどんなシーズンでしたか?

円 当初は昇格の機運が一番高かったシーズンだったと思いますし、選手からも「優勝」という声が出るくらい。昨シーズンはJ1からの降格がなかったというところも含めて、昇格に一番近いシーズンだと臨んだと思いますけど、頭からつまずきました。やっぱりサッカーは難しいなあと思いました。

嶋 クラブの意識はこれまでのモンテディオ山形の中で一番高かったですよね。昇格に向けて「今年こそ」みたいな。昨シーズンの石丸清隆監督の終盤の戦い方の良さ、手応えもあって、それを受けての今年はさらに期待感が高まって、戦力もそれなりにそろっていて、ヴィニシウスまで残留してくれて、「行けるかもしれない」とみんなでワーッと盛り上がったところでズコーッて感じですね。

円 滑り出し的には、1勝2分なのでそこまでつまずいたということではなかったと思いますけど、ホーム開幕からの2連戦で2連敗して「あれ?」という感じになりました。アウェイ3試合もそこまで内容は良くなかったですけど、去年の残像があるので、修正さえできればという空気がホーム連敗で変わったというか。第5節からは得点が4試合取れなかったりもしました。

嶋 ホームゲームで開幕4連敗とかしたらさすがにクラブとしてもスポンサーに対して立場がないし、このままじゃやばいというのと、今年はJ3降格が4枠あったから、早めに手を打たないと怖いよという。

円 降格に関しては、あの戦力だったら僕はないかなと思ってました。

嶋 相田社長はそのあたりのリスクも考えてたんじゃないですか。

円 僕は昇格をあきらめてないからこそ早めに手を打ったのかなと見てたんですけど、「降格」というところもクラブ側としては見ていたという判断でしたね。

嶋 ずっぽりハマると一番怖かったというのは、松本山雅を見てると思いますね。松本、愛媛、相模原。落ちたところはみんなどっぷりハマってたもんなあ。

円 松本は反町監督時代からの転換の途中で、新しいものを打ち出そうとして歯車が噛み合わなかったところがあったと思います。でもモンテディオの場合は基盤みたいなものはあったので、そうそう落ちることはないんじゃないかと思っていました。それは客観的に見ていたからかもしれないです。当事者目線だともっと降格の怖さを感じたのかもしれないですけど。

嶋 9節で解任でしたけど、石丸監督の今年ってどうでした? とにかく点が取れなかった。

円 取れなかったですね。

嶋 相手も去年を見てやり方がわかっていたのか。相手が引いていた印象はなかったけど。

円 こっちの攻めが遅かったというのはあるかもしれないですね。

嶋 去年よりも形にこだわっていたという印象はかなりあります。

円 ただ難しいのは、だからそれが悪いということではなくて、成長する段階を踏んでいく中でのひとつの過程だったのかもしれないですね。

嶋 何かトライしていたものがあった。

円 あったかもしれないですね。そこを乗り越えれば、前よりもいいチームになれるとか、レベルアップするとか、そういうところかもしれないですけど、今回はうまくいかなかったんじゃないかなと。

嶋 うまくいく前にタイムリミットが来てしまった。

円 ある程度、結果を出しながら内容の改善と同時並行でやれていればいいんですけど、結果があまりにも良くなかった。

嶋 ほんと痛かったもんなあ、岡山戦(第5節、●0-1)とかも。シュートはそれなりに打ってるんだよなあ。肝心のゴールが入らないという。

円 守備もそこそこ、一生懸命にやれてたと思うし、新潟(第7節、●0-2)とは力の差は最終的には感じましたけど、途中は拮抗した時間も多かったと思います。あとは決定力のところとか、隙を突けるかどうか。結局そこが実力の差なのかもしれないですけど。

嶋 石丸監督にも責任があるんでしょうけど、チーム全体でうまくいかないところが立て直せなかったから早めに手を打ったという態勢だったと思います。

円 取材者的には痛かったですね。石丸監督は問題があるところも取材者が理解できるように、いろんな問題点も曝け出して説明してくれたので、取材者的には「なるほど、わかりやすな」というところがあって勉強になったんですけど、それが記事になることによって相手側に伝わるデメリットもあるので、伝える側としてもそこは難しい問題です。

嶋 ふつうはそうなんですよね。監督の考えを、「こういう考えを持ってるんだよ」とある程度伝えていくということができればベストではあるんですけど。

円 サポーター、県民含めて、それを共有できれば、チームがどっちの方向に進んでいるかがわかるし、一体感も作りやすいだろうし。ただ、情報が相手にも伝わるというところがある。

嶋 うちらが代弁することは悪くないんですよ。ただ、「チームがこういうことをしてるよ」「こういう戦い方をトライしているよ」と言うのに、監督の言葉がないと説得力がないんですよ。そこですよね、一番は。なので、今年の後半はそういうコメントを出すのが難しかったというのは、シーズンを振り返ったらありました。

円 後半は後半で、取材の機会を増やしてもらえたので、個人的には楽しかったです。

嶋 クラモフスキーさんは練習を見せたいって言ってますけどね。基本的には、包み隠さず見てほしいって。サポーターの方にもなるべく見てほしいという方向でいるらしいですけどね、考えとしては。現状としてはそう簡単にはいかないかなと。でも、選手も練習を見てほしいでしょうね。「見てもらうと気持ちが入る」とか、そういうコメントを聞いているとそう思いますけど、僕は。ピリッと引き締まる感じはありませんでした?

円 それはいままで見学者がいないのが当たり前だったところに見学者を入れればそうなると思います。いつも見学者がいる状況であれば、毎日ピリッとするかと言ったらそうではないと思います。

嶋 慣れちゃえばね。来年あたり、そこは期待したいところですよね。取材の環境もそうだけど、練習見学の環境。

円 ただ感染のリスクが低くならないとなかなかそこは難しいでしょうね。

嶋 1年2年チームにいたけど、顔を一度も見ないで去っていく選手もいるからね。

円 試合に出る選手はいいんですけど、出てない選手は関しては、「この選手いたっけ?」という状態のままなくなっちゃう可能性もあるので、それは本当に由々しき問題だと思います。

嶋 顔も名前もプレースタイルも練習している姿すらも、練習着の姿すら見れていないんじゃないかという。そういう悲しい出来事は早く解消してほしいなと思います。

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