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【トピックス】山形ユースはクラブユースでGS敗退。それでも2日目に一皮むけて意地を見せた。

群馬県内各地で行われている日本クラブユース選手権U-18。東北第3代表として出場したモンテディオ山形ユースは、セレッソ大阪U-18、横浜FCユース、アビスパ福岡U-18のいるBグループに入り、1日目のC大阪に0-5、横浜FCに0-1で敗れてグループステージ敗退が決まった。

1日目のC大阪戦。35分ハーフの試合で短期決戦ということもあり、山形はC大阪の先手を取ろうと前がかりにプレッシャーをかけるスタート。サイドバックを上げてボールを動かすC大阪の背後を付く形で攻撃の起点を作っていたが、シュートまで持ち込ませてもらえず、序盤のチャンスを活かせなかった。

その後、ボールを持たれる中でもコンパクトな4-4-2のブロックで対応する山形。28分に左から斜めにパスを差し込まれてからミドルシュートを決められて失点したものの、チームの狙い通りの戦いはできていた。

しかし、後半に入ると立ち上がりにギアを上げてきたC大阪に対して出鼻をくじかれる。右サイドからドリブルで一気に突破を許して失点すると、「立ち上がり早々に失点してまとまりが無くなってそのまま行ってしまった」(佐藤旭)と守備が連動しなくなり、ギャップにパスを通されてしまう。そのまま失点を重ねた山形は一気に崩れて後半は4失点して敗れた。

1日目の大敗から切り替えて臨む2日目の横浜FC戦。「不完全燃焼で終わってしまったから、今日はチャレンジャー精神を持ってやりきろうと言われた」(長谷川諒選手)という一戦は、連動しきらなかった守備を修正して、1日目と同じくプレッシングでチャレンジを続ける。

攻撃でも「恐れずにボールを動かす場面も多かった」(内山俊彦監督)とトライし続ける。ボールを持つ時間は横浜FCの方が長かったが、山形も前半34分にFKのリバウンドから千葉虎士がフリーで走り込み、飛びながら右足で合わせるチャンスを作る。

シュート本数は多くなかったが、「全部裏に蹴るだけでなく、チームでボールを回しながら、相手を動かしながら、縦パスや背後、相手に合わせてプレーできていた」(佐藤旭)とC大阪戦と比べて形は作れていた。

後半に入っても集中を切らさない山形。後半飲水前にもコーナーからニアサイドで木下晴陽が頭で反らしたボールがポストのわずか上をかすめるチャンスもあり、試合の行方はどちらに転ぶかわからない展開になっていた。

しかし、試合終盤の後半33分、一瞬の隙を突かれ中央からパスを通されると、ボックス内で相手を倒してしまいPKを献上。さらに2枚目の警告で退場となり1人少ない状況に。
そのPKを決められて先制されたあとも、最後まで戦い抜いたが、0-1のまま試合終了。1日目と比べて全てを出し切ったが、あと一歩及ばなかった。

C大阪はプレミアWEST、横浜FCはプレミアWESTに所属しているカテゴリが上のチームだ。個の能力の高さや個人戦術などで力の差を見せつけられる結果となったが、善戦した横浜FC戦のように「自分たちも焦れずに守備ができて、そこまで相手に決定機をつくられることなく、試合終盤まで運べました。プレミア相手でも通用する部分はあった」(長谷川諒)とただではやられない手応えも得られていた。

守備では1日目とは打って変わってシュートブロックやスライディングで身体を張るプレーが増えていて、攻撃のチャレンジも2日目は多かった。この1試合だけでも選手たちのプレーは一皮向けたように感じられる。

「昨日のままで終わっていたら何もなかったですけど、昨日と比べて今日の成長の度合いはすごいものがある。それを明後日の福岡戦に繋げて、より成長できれば。点を取って一つ勝って山形に帰りたいと思います」(内山俊彦監督)

大会はグループステージ敗退が決まってしまったが、ユースチームはこのあともプリンスリーグなど試合は続いていく。
まずは残る1試合、福岡戦での勝利に期待したい。

文・写真 嶋守生

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