山梨フットボール

「ウイルソン自身も連鎖というか、ボールが出てこないから少し動き出しが悪くなる。何回か走ってもボールが出てこないから少し休んでしまうと。そういった中に彼は入り込んでいると思う」吉田達磨監督【無料記事 J1第18節 吉田達磨監督会見】

【J1第18節 吉田達磨監督会見】

今日は後期折り返しの17試合(最初の試合)で、後期第1戦ということで月も変わってこれから巻き返していこうという強い気持ちを持って来ました。約800人のサポーターと一緒に戦うことができて、勝点を持って返ろうという話を選手としたが、それが叶うことがなく、持って帰れないことを残念で、悔しく、申し訳ないと思っています。失点のところは立ち上がりのどっちつかずの5分間があって、中村(俊輔)君がブロックの外でボールを受け始めて、知っている展開だが、少しボールをトントンされることにナーバスになって追いかけ回して穴が少しできたということが前半13分くらいまであったと思う。

失点シーンは久しぶりに中央を割られて、崩されて股を抜かれてと…。僕らのトレーニングでは見られないところ。中村君が上回った。ほころびが出て2回目のヤバいがあって失点した。2回連続でヤバいがあると川又(堅碁)、中村、川辺(駿)が好調で、割られてしまう。彼らの好調の要因を見たと思う。サッカーではタラレバをいうこともできるが、相手が上回って来ることがあって、そこから少しゲームが落ち着かない時間があって、逆に相手の落ち着きも奪えるようになってきたわけで、そんな展開で前半を終えました。

ハーフタイムは選手の意見の強い出し合いが見られて、きつい口調で言い合うことを初めて見て、1点を返す、勝つことに近づいているんじゃないかと…。勝ちたい気持ちを隠さずに出し合っていくことは必要ですし、今のチームにもっと必要で、そういうところが見られた。ハーフタイムに戦術やポジショニング、狙いを修正して後半に臨んだ。後半はなかなかゴール前を空けさせてもらえなかったが、シュートにいく最後、少し工夫をした。ゴールに迫ってみたが、今15失点の磐田の壁を崩すことはできず、最後の一振りができずに終わった。あの展開になればいくつかカウンターを食らうことは仕方がないことで、最後の10分間苦しい時間でカウンターを最後まで行ききれずに時間を使われた。サッカーでは仕方がないことで、その中でも反撃の気持ちを選手は見せてくれたと思います。

幾つかあってはならないミスがあり、失点シーンはもちろんあってはならないミスですが、時間帯を考えてもあの一発は悔やまれるところです。彼らが一番感じていることだと思いますし、話し合いながら、さっきも土屋(征夫)がいろいろな選手に(アドバイスを)伝えていたが、そういう空気が生まれていいることに対して、自分たちが持っているものを出し続けないといけないと思います。残り16試合ありますが、自分たちがどのポジションにいるのかとか、数字を見て12月のことを考えてサッカーをすることはいけないし、する気もないです。一戦一戦を戦う我々のいつものスタンスはズレてはいけないと思います。まずは内野が崩れないように、チーム、クラブが一丸となって次のアントラーズとの戦いに向けてスタートを切ることが重要になってくると思います。

ネガティブなことを思えばいくらでもそうなれますし、今日の夜11時ごろにインターネットを見れば絶望的になるかもしれないけれど、我々はそれを気にしてサッカーをする訳ではない。自分たちが激しくプレーをし続けることでサポーターと一緒に戦って走っていることを少しでも思ってもらう。勝ち負けという結果は誰にでも分かることだが、みんなを代表してピッチに立つ、代表するプレーヤーとして青と赤のユニフォームを着て表現できる立場にいるわけですから、そこで下を向いたり、そっぽを向く必要はまったくなく、何かネガティブな声に耳を傾ける必要はないですし、あるべき批判はしっかりと受け止めながら進んでいきたい。ここでブレイクに入りますが、しっかりとトレーニングをし直して自分たちに変えるべきところがあれば修正して、点が取れていない事実と向き合って、ゴールチャンスを増やせるように走りたいと思います。

Q
ここまでウイルソン中心に考えてきたと思いますが、ここまで来てどう考えているのか。一つの曲がり角と捉えている人も少なくないと思いますが、今のウイルソンとこれからのウイルソンをどう考えるのか?

A
18試合やって1点。彼にとっても初めての経験だと思います。彼が文字(日本語の記事や書き込み)を見ることはないので、ある意味助かりますけど、彼はここまで点を取れていない。ただ、チャンスには顔を出していたりとか、動き出しに周りの選手がついてこられないことが多く見られた前半戦。最近に関していうと、ウイルソン自身も連鎖というか、ボールが出てこないから少し動き出しが悪くなる。何回か走ってもボールが出てこないから少し休んでしまうと。そういった中に彼は入り込んでいると思う。決定力を期待して獲得した選手ですし、重要な選手であることは変わらないが、この現状について彼と話をしないといけないし…何度も話はしています。すごく頭のいい選手ですし、変なモチベーション、鞭みたいなもので動く選手じゃないですから冷静にゴールを取れるように…。日本人選手でもブラジル人選手でも焦りかは関係なく持ちますから。

川又は決めたけれど、ウイルソンはちょっと躊躇したと思う。ドゥドゥも同じことが言えて、クリーンヒットすればいいことだけど、力んで軸足に当たってしまう。1点取っていれば彼らの実力では起こりえないことで、こういう状況を覆すためにいるようなところがありますから、入り込んでしまっているところは、僕らのできることとして早く取り除くことをしないといけないと思う。今日途中で代わりましたけど、ウイルソン自身がどう捉えて起爆剤にして、悔しさを前面に押し出してやるのか。もしくは嫌になってしまうのか。彼のキャリアと人間性を信じて、しっかりと話してトレーニングしたい。

Q
兵働(昭弘)選手ではなく小椋(祥平)選手を先発に起用した理由は?

A
2日前までは兵働で考えていて、小椋は出場停止の後の天皇杯でもいいパフォーマンスができずに清水戦でスタメンから初めて外れサブで、鳥栖戦もサブで、途中から出てチームに物凄くいいエネルギーを与えてくれた。兵働も小椋も1/11としては大きな力を持っている選手。(小椋の先発は)前々日の紅白戦で決めた。小椋は凄く調子が良かったので、シンプルに競争で決めた。
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