山梨フットボール

「一緒に戦ってくれた選手は僕の誇り。このチームを率いて本当によかったと思います」【無料記事 J1第34節甲府1-0仙台 吉田達磨監督会見】

【無料記事 J1第34節甲府0-0仙台 吉田達磨監督会見】

バス待ちをしてくれたファン・サポーターの姿を目に焼き付けるように見ていた吉田達磨監督。

一緒に戦ってくれた選手は僕の誇り。このチームを率いて本当によかったと思います(吉田達磨監督)

今日、僕たちはJ2に行くことが決まりました。今日、会場の雰囲気も最高…最高という言葉が軽く感じるくらいのものを創って頂いて、とにかく勝って、全てを尽くして天命を待つということはこの日に限っては達成できたが、降格圏にいて他力も最後は僕たちのモノにならず、これだけ大勢のファン・サポーター、スポンサーの皆様の前で降格する結果になってしまいました。監督として申し訳なく思います。今日の戦いは…選手は非常によく走り、動き、ぶつかり、考え、最後の勝利を掴もうと戦ってくれました。

ここで2017年の我々のチームは結果を残すことなく終わりを迎えました。2017年に専用スタジアムを造ることが決定し(その方向性)、機運が高まる中、Jリーグや地方クラブの一つの光として僕たちがJ1リーグに居続けることを目指してきましたが、山梨県のサッカーの高まる機運にもう一つの盛り上げと花を添えられずに、このまま僕たちがJ1に残留することでレベルの高いJ1の試合が、サッカーが山梨で観られることに希望を持っている子供たちや、今までこの県のサッカーを創り上げてきた人々が更にサッカーにのめり込んでいく、その絵を僕たちがグッと掲げることができずに、重ねて申し訳ないと思います。

選手とは1年間戦ってきて、戦いはいつでもできますし、選手同士でも戦えますし、選手と僕の戦いがあります。その戦いに折れることなく、めげることなく、共に戦ってくれた、トレーニングを一生懸命やってくれた。最後の最後まで、これだけ勝てないシーズンが続いて行く中で心を切らさずに最後まで一つにまとまっていてくれた2017シーズンの選手には本当に感謝しています。彼らになかなか勝利を授けることができない監督を信じてやってくれました。

来年このチームに残る選手が誰で、もしかするとどこかに移籍する選手がいるかもしれませんが、これからどうなるか分かりませんが、いずれにしても1年間一緒に戦ってくれた選手は僕の誇りですし、宝になりました。このチームを率いて本当によかったと思います。そう思う日は1日や2日ではなく、1回や2回ではなく、この街に来てずっと思い続けてきたことです。この結果を受けて、このチームを率いることができて幸せだったと思う戦いぶりを選手は発揮してくれました。ただ、同時にその選手に対して申し訳なかったと思いました。

1年でJ1の舞台に帰ってくる、残留争いの最中にもかかわらず僕の来季の続投を決断して発表してくれたクラブのためにも、それを信じて、最後まで奇跡を信じて力強い、熱い、それでいて温かいヴァンフォーレ甲府のファン・サポーターの皆様、その声援を送ってくれたことを力に変えて――2018シーズンの簡単ではないJ2――方式も変わる、J1昇格へのハードルが高くなるであろうJ2を一つになって戦い抜く、切り替えることは容易ではないですが、新しい気持ちを持って、志を持ってたった一つの明確な目標を持って今日から戦いを始めたいと思います。

ヴァンフォーレ甲府はいろいろな人の、小さくても重なった力が加わって立っていることを実感しています。自分が立ち続けていたJ1の舞台から落としたわけですから、来季、今日から戦いたいと思います。降格をするという可能性は頭の片隅にはありましたが、最後まで信じていたので(仙台に)勝てば(残れると)…と思っていました。上手く話せませんがJ1残留ができずに申し訳なく思っています。

――清水との勝点2ポイント差、そこの戦いを振り返ると差はどこにあったと思いますか?

直接対決で敗れたこと。特に清水とは6ポイント、広島ともそうです。特に小瀬で戦った清水との試合の勝点ゼロ…勝利してもおかしくない試合だったと思っていますが、勝点3を取るべき試合がゼロになった。直接対決をことごとく敗れたことが全てだと思います。

――上位にアグレッシブに戦えるのに、(下位に敗れる)この二面性というか、これ(下位同士の試合)を落としたのはなぜだと分析していますか?

今日の仙台は強豪チームというか、後半戦を見れば強いチーム。攻め込まれる時間が長くなる。自然と自分たちの…最後に点を取るというような、ロースコアで戦っていく流れができてきます。サッカーのグラウンドの中の話になると、力が拮抗していく中で”攻める”ということができるということが二面性を引き起こすことになりかねなくて…。攻めることができる、ゴール前までたどり着ける、シュートを打てそうなところまで…前期はシュートを打てそうなところまでで、後期はシュートを打つところまでボールを意図を持って運べるようになった。だけど、ゴール前まで運べる、シュートを打てるようになると、最後には落ち着きというか、一振りとか、今日もリンスの一振りで決着をつけるシーンがないと最終的にはやられるのがサッカーで、そういった最後に決着をつける質と落ち着きが攻められる分、もしかしたら彼らが成長した分、勝負の肝、綾が悲しいかなクオリティに委ねられるようになったと思います。

――今年1年間の戦いを振り返ってもらえますか?

下位のチームに勝てずにシーズンを過ごしたことが大きいハイライトだと思います。プロの世界で選手の成長がどうこういうことはあまり意味を持たないかもしれませんが、あらゆるもの、練習、試合、あらゆるものが1月のキャンプの頃から見違えるように変わった。今シーズンのハイライトは近くの順位のチームに勝てなかった、負けたことがシーズンを振り返る上では――広島とは最終的には1ポイント差――周りのチーム、広島、新潟、清水に2勝ずつ与えている。振り返るとそういうシーズン。J2に落ちますけれど、J1のチームとしての戦いは…J1のチーム同士の戦いが見られるようになってきたものはあったのではないかと思います。

――J2ではJ2の難しい戦いが待っていますが、J2に降格したからそこできる、チャレンジできるものは頭に浮かんでいますか?

J2に落ちたから踏ん切れるか、頭はまだしっかり整理できていないです。僕たちは戦ってきてすでに整ってきたベースがあると思います。勝負に敗れ続けてきましたが、自分たちが持っている、相手ボールの時の機能もそうですし、相手が襲い掛かってきたときの機能もそうですが、そういったものを高めつつ、勝ち抜くために必要な最低限の根っこというか、栄養はこのクラブは十分に持っていると思います。

J2に落ちたからこそ違うトライというか、お客さんが一緒に乗っかってこられるような、より走るとか、ボールを運ぶとか、アタックにチャレンジする土台はJ2に落ちたことによって――簡単に変われるものではないと思いますが――そういうところにトライするということは、リーグの総括もJ2の分析も、明日J1昇格チームが全て決まりますが、リーグの展望もやっていませんが、より待つものから出るというものに変えていけると思います。

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