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「3バック(5バック)の亡霊には悩まされたが、相手ゴール前まで行ったことが大事。いちかばちかでやっている訳ではない」【無料記事 J2第2節 甲府0-0東京V 吉田達磨監督 記者会見】

【吉田達磨監督 記者会見】

「3バック(5バック)の亡霊には悩まされたが、相手ゴール前まで行ったことが大事。いちかばちかでやっている訳ではない」

 

ホーム初戦で――僕たちは開幕戦を落としているので――何としても応援、声援の前で応えたい気持ちで臨んだが、勝つことは簡単ではない…。次に初勝利を持ち越します。試合の方は前半サポーターから溜息をつかれるようなゴールキックからのシーンがありましたが、選手は自分たちがプレーすることを信じてやってくれました。

相手のプレスというところ、彼らからすれば生命線かもしれないけれど、しっかりおってプレーすることに繋げてくれた。十分に成長の跡が見られます。(試合後に)選手たちの顔を見るとガッカリしたような表情をしていました。ネガティブになったり下を向いたりする必要はないのかもしれないですけれど、そもそも、“大きな戦力差がある”と思っているから、もしかしたら落胆しているかもしれない。“勝って当たり前”と思っているから大きな落胆があるかもしれない。一つひとつの試合を全力で、身体全体で掴み取らないと、簡単に勝てる相手がいないことをこの2試合で得ていますし、次の試合はそういった勝ちを掴みに行くもうひとパワー、前半チャンスに迫りながらも、ああいったところにパワーを宿せるように、ルヴァンカップを挟みますけれど、トレーニングをして意識付けをして、方向付けをして臨みたいと思います。

前半、今津がドウグラス(ヴィエイラ)を引っかけたシーン(28分)、ああいうのは物議をかもすところだと思いますし、僕の目から見たらPKだと思いましたし、そういうものがあちこちで(レフリーの)ミスなのか(レフリーが)見えなかったのか分かりませんが、お互いの流れを左右するものだと改めて思います。我々も去年そういうことに散々苦しんできたので、今日は幸運だったのかと思います。“それも全てサッカー”と受け入れることを2017年に学びましたから…。ここから先はアクションしますが、ヴァンフォーレ甲府は冷静に戦い続けて最後に勝っていたい。そのために次は重要な試合になります。残り40試合、いいスタートになるようにしたい。

――ゴール奪うということでは何が足りなかったですか?

クロスに入る、スピード、枚数もそうですね。何が足りないのかというと、ネットを最後に揺らす冷静さですけど、物理的に足りないのは人数で、そんなにネガティブな話ではない。あそこまで行っていることが大事で、いちかばちかに賭けている訳じゃないので…。ただ、枚数は増やしたいですし、後半ジネイじゃなくて――ジネイを使えなかったですけれど――高野(遼)が入った時点で2~3本はクロスが上がることを頭に入れたならあそこに入って行くという、勘というかそういうものが必要だったと思います。

――後半の途中で3-4-3に変えた狙いは?

東京Vもいろいろな手を打ってきますから…。佐藤優平が入って(57分)サイドに張っているようでインサイドに入ってSBを引っ張り出して、そこに渡辺皓太に走られて、林陵平が入って(66分)、4枚の間に立たれるような…。少しだけウチも疲弊してきて、湯澤(聖人)のところでプレッシャーがあまり掛からないようになって、ちょっと後半の中盤に押し込まれる時間が増えてきた。コッチが攻める前に安定させないと盛り返せないので、そこは変えましたが、3-4-3になってウチには亡霊がいるというか、3枚にすると後ろ荷重になることは否めないし、そこは僕自身反省というか、“さぁアタック”とはならない、僕らに染み付いたもので、脱出したいと思います。

――試合のスタートポジションの4-1-4-1の評価は?

今週はずっとこのシステムの話ばかりしていた気がしますけれど、出るべき選手を考える時、誰が出るのかというところで相応しい立ち位置を考えました。で、前線にジネイも入れますし、前節の大宮戦が取り立てて悪い試合ではなかったと思っていますので、最初の立ち位置を変えたことで、主に3バック、4バック、5バックだと思いますけど、アタックに対して2人のCBでこの試合は十分だと思ったというのが意図です。

――東京Vが前からプレスに来て引っかけられた場面がありましたが、あそこのスペースが空くから行けば行けるのか、もう少しセーフティでやってもいいと思っていたのか、どちらになりますか?

どちらでもとれますが、外していけばいいというふうにスペースも見えていましたし、島川(俊郎)が引っかけられて(決定機を作られたことが)印象に残りますが、それ以外は取られていない。あれ以外は全部前進している。GKが蹴っていちかばちかで失うのもいいし、一回相手に渡して取り返すのもそれはそれでいい。今日の試合に関しては両方が前進することを選んでやって、どちらも、僕らも途中から長いボールを使いましたし、なぜ長いボールが効くかというと、なぜあそこで金園(英学)に誰も競れないのか考えるポイントだと思います。

――地元出身の今津佑太選手がスタメンでした。プレーを振り返ってどんな風にご覧になりましたか?

個人的なことですけど、今津は本当によくやったと思います。ホームゲームでデビューすることは、地元の選手として思ったより簡単じゃないと思います。アウエーの方が、気が楽かもしれない。ホームデビューでドウグラスのようなJ2リーグの中でトップクラスのストライカー、アラン・ピニェイロも左にいて、渡辺皓太、梶川諒太も何かを狙っている選手たち。そこに対して自分の良さ、強さ、迫力を惜しみなく出した。見た目は下手くそなんですけど、プレーの選択はほぼ間違っていない。下手くそに見えるけれど、全然下手ではないというところを今日見せてくれたと思います。

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