「森晃太2戦連続のゴールでブレイクスルーに一歩前進。3-0より価値が高い1-0の勝利」【2018JリーグYBCルヴァンカップ/Bグループ第2節 甲府1-0清水 レビュー】
【2018JリーグYBCルヴァンカップ/Bグループ第2節 甲府1-0清水 レビュー】
2018年3月14日甲府1-0清水(19:03K.O/山梨中銀スタジアム/入場者数4,585人/天候 晴 弱風/気温 16.6℃/湿度 59%)
得点者 30’森晃太(甲府)
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「森晃太2戦連続のゴールでブレイクスルーに一歩前進。3-0より価値が高い1-0の勝利」
「決められるときは決められるもんなんです。プロ1年目はそこ(ゴール前)にいても決められないし、いい場所にもいなかった。でも、決められるときはボールがこぼれて来るし、難しくてもシュートが決まるんです。冷静に蹴ることができました」
清水戦後のミックスゾーンで「点を決めるイメージが蘇ってきた」と話した森晃太に翌日の練習後に聞くと、こう話してくれた。この「決められるときには決められる」という感覚はストライカーだけにしか分からないモノだろうけれど、名古屋U-18の頃に決めまくっていた感覚が蘇ってきたのは嬉しいし、頼もしい。こういう話をするときに調子に乗っている感じもなく、「もっと決めてやる」というかの如く、自信も蘇ってきた雰囲気で謙虚に話をする。たぶんスカしているのではない。「感覚があるうちにどんどん決めてモノにしないとまたイチから始めることになるんで…」という趣旨の話もする。このままブレイクスルーしてほしい。
今季はルヴァンカップがあってよかったと思う。リーグ戦だけならルヴァンカップに出場した選手の多くはよくてベンチ、悪ければスタンドからスーツを着て観戦になっていた可能性もあるが、公式戦のピッチで、ファン・サポーターの前で、選手層の厚さ、競争があることを見せてくれた。「札幌戦のメンバーのまま清水戦を戦えばどうなるだろうなぁ」という思いもあったけれど、実際に戦ってみて吉田達磨監督の判断や決断は正しかった…後出しジャンケンの結果論でも。17日のリーグ戦(vs福岡)のことも考えてのメンバーだが、札幌のように裏を取らせてくれない清水に金園英学のワントップはというより、ワントップの金園が高いパフォーマンスを見せた。
試合の入りはお互いにリスクを小さくするためにシンプルにロングボールを入れることもあったけれど、先に組織的な攻撃が機能したのは甲府。両WB(道渕諒平、阿部翔平)とダブルボランチ(佐藤和弘、窪田良)のところで起点ができて、周囲のポジションと連携して組織を活かしていけていた。スタートポジションの形や組み合わせなどのマッチングもあるけれど、リーグ戦でも十分に行けるパフォーマンス。
清水戦で良かったのは他にもあって、阿部と佐藤がキッカーを務めたセットプレー。セットプレーから直接決まりそうな流れがあった。直接ではなかったけれど、30分の先制点は相手のクリアのこぼれ球を金園が懸命のスライディングで森の前に運んで、森がワンタッチで決めたもの。ペナルティエリア内の左寄りの位置からファーサイドにシュパーンと決めた右足のシュートで、普通なら確率は低いなぁと思うような状況も綺麗に決めた。これが森のいう「こぼれてきた」であり「決まるときは決まる」で、「落ち着いて冷静に蹴ることができた」というゴール。この感覚をサッカーのコーチは「教えることができない」というから厄介で貴重で、素晴らしい感覚。
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