山梨フットボール

「心の持って行き場を無くしそうになる2連敗。でも、感情的にテーブルをひっくり返すのは大損」【2018明治安田生命J2リーグ第6節 岡山1-0甲府 レビュー】

2018明治安田生命J2リーグ 第6節 岡山1-0甲府 甲府先発布陣

2018年3月25日岡山1-0甲府(14:03K.O/シティライトスタジアム/入場者数10,278人/天候 晴 弱風/気温 19.2℃/湿度 38%)

得点者 21`後藤圭太(岡山)

◇◇◇

「心の持って行き場を無くしそうになる2連敗。でも、感情的にテーブルをひっくり返すのは大損」

ックス・イズ・グッド…でも、勝てない。

合後、シティライトスタジアムで共に戦ったサポーターは何を思ったのか。なぜ、スタンドに暫く残っていたのか。心の持って行き場所を見つけられなくなりつつある人が少なくないことは予想できる。

んな分かっている。

府のサッカーを変えるために吉田達磨監督を招聘したことも、その変化・進化を――見方によって評価や捉え方は様々だと思うが――感じている人は少なくないはず。そして、昨季の勝ち点1差の降格だって多くのファン・サポーターはグッと堪えて受け止めて、今季も気持ちよく・熱くサポートしてきた。

J1に残留するよりもJ1に昇格する方が難しいことも分かっている。そして、クラブの興廃が今季のJ1昇格に左右される可能性が十分にあることも――それゆえに、現場が受けるプレッシャーは強く・重くなる――分かっている。フロント・強化部の頑張りで甲府の立ち位置としては、十分にいい選手構成で今季をスタートした。それでも上手くいかないことがあるのはどこも同じで、ジネイが完全フィットしているのかどうかがまだ分からないことなどは残念だけど、他所様だって似たようなことは起こるから大きな問題ではない。問題は一定の陣容、サッカーもルックス・イズ・グッドになってきたのに、「でも、勝てないね」と言わせてしまうこと。

回する時間、試合数、希望も十分に残っていると思うが、チームはファン・サポーターの今の感情を宥め、萎みそうなプライドをどう膨らませるのか。5年連続J1で共に戦った甲府のファン・サポーターに――この5年で最後は疲弊してひとつの限界が見えた――降格してJ2リーグ開幕から6試合で1勝2分3敗という結果を見せて、明るい年末に希望を持って欲しいと宥めるのは難しい現状…。だからといって、感情的になってテーブルをひっくり返してもいいことがないことも多くのファン・サポーターは分かっていると思う。割り合いなんて分からないけれど、吉田監督の情熱や能力を評価・信頼しているファン・サポーターは少なくないはず。だからこそ、感情の持って行き場が見つからないもどかしさに苦しんでいる。それが岡山戦後、スタンドの一角に昇華できない感情として澱みのように残った。

ヴァンカップを同時に戦う難しさは明らかにある。でも、ケガで出遅れた秋山拓也以外は全員が公式戦に出場と選手層を厚くすることができている。それ故に、もう少しの我慢かもしれない。でも、“もう少し”が3試合なのか3か月なのか誰にも分らない…。第4節・福岡戦でリーグ戦初勝利を挙げてからの、中3日のリーグ戦2試合のマネージメントは―――結果として選手の疲労が読み切れずに――上手くいかなかった。2連敗の結果を受けて乱暴に言うなら、徳島戦はルヴァンカップのメンバー主体で戦った方が4月のリーグ戦・ルヴァンカップの連戦に向けて試合勘とコンディションは作りやすかった。ルヴァンカップのメンバーで徳島に勝てば、ルヴァンカップのメンバーには自信になるし福岡戦に勝ったメンバーには刺激、負けても4月のルヴァンカップに向けて引き締まるし、岡山戦はベストメンバーを組みやすかった。リーグ3連戦を2勝でいいという考え方自体がないのかもしれないが、1勝2敗で終わればいろいろ言われる、言いたくなる…。

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