山梨フットボール

「結果的には完勝も、“ザ・天皇杯”となった流経大戦。勝って反省できる幸せが収穫」【2018 天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会2回戦 レビュー 】

2018年6月6日甲府3-1流通経済大学(19:00K.O/山梨中銀スタジアム/入場者数1,377人/天候 雨 無風/気温 23.1℃/湿度 67%)

得点者 11’田中佑昌(甲府) 20’相澤祥太(流通経済大) 50’田中佑昌(甲府) 79’曽根田穣(甲府)

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「結果的には完勝も、“ザ・天皇杯”となった流経大戦。勝って反省できる幸せが収穫」

点に追い付かれてから暫くは、見ないで済むと持っていた大苦戦の悪夢が蘇った。(天皇杯らしくなったなぁ)と皮肉たっぷりに”心の中で“で思っていた。ここ暫くは見ることがなかった、感じることがなかった――選手個々には頑張っているのに――迷路に入ったような内容。そして、天皇杯はリーグ戦やカップ戦とは違ってリラックスして観戦する大会なのかもしれないけれど、メインスタンドで聞こえてきたヤジには悲しい気持ちになってしまった。バックスタンドで見ていた人も「ヤジが凄くてカオスだった」と話していたけれど、ヴァンフォーレ甲府は山梨の誇りを背負って戦っているクラブで憂さ晴らしの対象ではないし、選手の家族もスタンドで見ているから個人を傷つけるようなヤジは心の中で思うだけにすればもっと素敵なスタジアムにできるはず…とモヤモヤと消化しきれない時間帯でもあった。

半開始47秒でリンスのシュートがバーに弾かれて始まったヴァンフォーレタイム。リーグ戦もカップ戦も“甲府は強いなぁ”と満足しながらのスタート。警戒していた流経大の前線からのプレスも楽々かわしていく甲府の中盤と最終ライン。流経大のユニフォームの胸スポンサーがANA、背中がKIRINと日本を代表する大企業なのには驚いたが、聞くとこういうことを始めたのは流経大が先駆けで、今では珍しくないそうだ。大学で4年間本格的にスポーツをやると学費、寮費、部費、遠征費などで1000万円かかる時代で、それを楽に払えるほど日本人の平均所得は高くない。流経大でも約200人の部員のうち、約140名が奨学金(おそらくほとんどの学生に返済義務がある)を受けているそうだ。保護者も学生も大変だということで、スポンサーをつけて少しでも負担を軽減するという意図があるとのこと。そして、スポンサー名がユニフォームやジャージに入ることで学生も「(不祥事などで)迷惑をかけてはいけない」という自覚も芽生えるらしい。1000万円が幾らに下がるのかは知らないけれど、高等教育を子供に受けさせている保護者の皆さんは大変。

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