「勝つしかない試合を、警戒していた大黒将志に2ゴールを許し、ジエゴの初ゴールを喜べない引き分け」【2018明治安田生命J2リーグ第38節 栃木2-2甲府 レビュー】
2018年10月21日栃木2-2甲府(14:03K.O/栃木県グリーンスタジアム/入場者数5,336人/天候 晴 無風/気温 20.9℃/湿度 31%)
得点者 7′ #40小椋祥平(甲府)11′ #9 大黒将志(栃木) ’71 #9 大黒将志(栃木) ’90+3 #11 ジエゴ(甲府)
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「勝つしかない試合を、警戒していた大黒将志に2ゴールを許し、ジエゴの初ゴールを喜べない引き分け」
「失った勝ち点を数える」=どうにもならないことをクヨクヨ悔やむこと。
広辞苑の第8版に載るわけはないけれど、サッカー界では諺として成立しそう…。第38節は横浜FCと大宮が引き分け、福岡も引き分けた。第37節・新潟戦(0-0△)、第38節・栃木戦(2-2△)で勝っていれば、6位・大宮との勝ち点差は残り4試合で7ポイント差…だったと思うと勿体ないし、悔しい。4試合で7ポイント差でも十分に難しく可能性は小さいけれど、17位・栃木に引き分けた結果、残り4試合で11ポイント差は…なんも言えない…。
ただ、栃木県グリーンスタジアムの芝生は予想以上に甲府の選手のプレーに影響した。スタンドの記者席から見ても、ボールが素直に転がらずにちょこちょこ跳ねるのが分かった。序盤はそれでも何とか栃木のプレスを剥がして繋ごうとしていたけれど、栃木はJ2残留を決めるという目標があって、映像で見た前節よりもアグレッシブ。ロングボールをバンバン入れてくる尊敬できるサッカーではなかったけれど、浮き球の対処は甲府の選手よりも正確で、狙いも絞り込まれていた。甲府の選手からは「栃木はサッカーをしてこなかった」というコメントがあったが、それでも乗り越えないと最終節に横浜FC戦を用意してくれた“日程くん”は微笑んでくれない。
栃木には大黒将志、西谷和希ら厄介な選手が何人もいたが、ボランチのヘニキはポイントになっていて、攻守で高さとフィジカルの強さを活かしてきて試合の流れを作らせてくれなかった。甲府にはザ・CFというタイプの長身FWがいないのでカウンターから点が取れないとかなり苦しい。5-4-1の守備のブロックを作られると、練習でやっているとはいえ芝生が悪ければパスワークが活きない。それに練習は基本的にディフェンダーをつけていないからイメージだけで、本番はカウンターよりも複雑で連携も取りにくい。
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