山梨フットボール

武岡優斗「練習後にピーター・ウタカと話したことと、”幸せな悩み“とは?」【無料記事 コラム&インタビュー】

加入直後のキャンプから外国人選手と積極的にコミュニケーションを取っていた武岡優斗(右)。ドゥドゥ(左)やピーター・ウタカらとのコミュニケーションは日本人選手と外国人選手の間に壁を作らないということにも大きく寄与している。

「無いものを追いかけても仕方がないんで、有るもので戦うしかない」武岡優斗

――練習後にピーター・ウタカと長い間話していましたが、前節の修正の話ですか?

秘密です(笑)

――“もうちょっとこう動いてほしい”的な感じですか?

遊び球を入れても相手が動かないから、それをもうちょっと上手くやって自分たちのボールを動かす時間を多くしたいという感じの話です。

――ウタさんは”そうだね“という感じになりましたか?

基本的にボールを回すことが好きな人だから、言い方さえ間違わなければ…。頭ごなしじゃなく――前線の選手に見えている景色とDFラインから見える景色は違うから――前線の選手の意見も尊重しながら…。

――そういう配慮ができるのは経験値ですね。

そんなことないですよ(笑)。いいときは何も言わなくてもボールは回るんで――東京V戦の前半の最初の方みたいに――。ただ、上手くいかない時間帯になるとウチは動きがなくなる。(相手の守備の)ブロックの間にはいるけど、1~2歩動くだけでボールを貰えるのに(相手選手の後ろに)隠れたりする。

練習後、ピーター・ウタカ(右)と長い間話をしていた武岡優斗(中央、背中)。アラサーが支える甲府はベテラン選手のこういう行動がチーム力を下支えしている。

――東京V戦の10分の武岡選手のパスから始まった美しいパスワーク――決まらなかったですが――は、ウタカのポジションもよくていいコンビネーションからいい崩しになりましたね。

隠れていると入れられないんで。あれはカズ(佐藤和弘)もウタさんも両方が見えていたんで、“あとはお任せします“的なボールでした。カズは俺がやりたいことを分かってくれているんですよ。

――今更ですが、川崎Fでは左膝の大ケガで手術を繰り返し、再発を心配していたと思いますが、ここまでケガなしで16試合出場。素晴らしいですね。

いろいろありますよ(笑)。目に見えないところで…。普通の身体じゃないですからね。いろいろ問題はありますよ。外に見せないだけで…“やるときはやる”ということと日頃のケアです。今18歳なら(本当は32歳)もっとできる自信がありますけど、それを望んでも仕方がない。持っているもので最大限のパフォーマンスを出すしかない。無いものを追いかけても仕方がないんで、有るもので戦っていかないと…。

――それでも、ケガで長く苦しんだだけに“やれている”という一定の満足感はあるんじゃないですか?

全く(笑)。毎試合反省です。タラレバですけど、それを言うとキリがない。人間は“ないものねだり”。試合に出られてない時は”試合に出たい“、試合に出られるようになると”もっともっと“になるから…。でも、今年は試合にたくさん使って貰って、幸せな悩み。その分、結果を出さないといけない。

――バルセロナでレギュラーになって、リーグとチャンピオンズリーグで優勝して、代表にも選ばれてワールドカップで優勝しないと満足というゴールには辿り着かないんですかね?

そんなもんですよ(笑)。試合に出れば欲が出るし…もっと欲深く求めていきたい。でも、試合にこれだけ(16試合)出ているんで充実はしています。

練習後、伊藤彰監督(左)と話をする武岡優斗(右)。選手との距離感が近く、選手の意見を尊重するスタイルの伊藤監督だからこそベテランが積極的に意見を言える雰囲気ができ上がっている。

――甲府に加入後、身体のケアを含めて新しくやり始めたことなどはありますか?

ありますよ。いろいろなセルフケアに手を出しています。膝のセルフケアで考える時間は川崎Fの頃よりも自分と向き合う時間が長くなりました。川崎Fの頃はいろいろな人に会って刺激を貰うことがありましたけど、甲府では1時間空いたから誰かに会いに行くというのは簡単じゃないので、その分、自分の時間が増えていろいろなことを考えるようになりました。

――セルケア用品はマッサージ器的なものや振動や音波でケアするものですか?

マッサージ器とかに手を出すようになりました(笑)。今までもゼロではないですけど、“何が起きたんだ?”って思うくらい多くの機械が部屋にあります(笑)。今はソファーの前にマッサージ器が用途別に3台並んでします。

――もしかして、ハンサムケア用に美顔ローラーも持っていますか?

それは持ってないですけど、あれって意外と高いんですよ(笑)

――マッサージ器はいずれ選手会オークションに出品ですね。

それは無理(笑)

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