山梨フットボール

「ファン・サポーター、選手の夢を残留させるための勝点3を奪い取る戦い」【無料記事 2019明治安田生命J2リーグ 第39節 京都対甲府 プレビュー】

古巣京都に挑む湯澤聖人の思いは冷静だが、チームの為に果たしたい気持ちは熱い。

2019明治安田生命J2リーグ第39節 京都対甲府 甲府先発予想布陣


2019年11月4日(月曜日)京都対甲府(14:00 KICK OFF/たけびしスタジアム京都)

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「鹿児島戦の手応えを11人で結果に繋げる」

季初めて”怖い“という感情がフッと出てきた京都戦前。京都が怖いのではなく、目標達成の可能性が実質的に無くなる結果になることを”怖い“と思ってしまった…。勝てば順位は9位から8位に上がり、6位との勝点差は残り3試合で2ポイントになるからもっと強気でいい筈なのに一瞬ネガティブが勝ってしまった。ピッチで戦う選手が相当なプレッシャーを受けて戦うんだから…弱気やネガティブは排除して挑みたい。

節の鹿児島戦(1-1△)は素晴らしい立ち上がりで、“これでイケる”という気持ちにさせてくれたのに、”イエローでもよかったんじゃないかなぁ”と思うプレーにレッドが出てしまい、耐えきれず失点し、同点のスコアも覆せなかった。今節も鹿児島戦の立ち上がりと同じというか、より強度を高めて挑むことになる。気になるのは鹿児島よりも京都の選手の方がプレッシャーを剥がす個のテクニックやパスワークがあるということ。そこからカウンターで失点するのが一番怖い。今週、伊藤彰監督に聞きたい質問のトップはここだった。

鹿児島戦と同じことをもう1回やるべきだと思う。どうやって剥がされるかは分析して、剥がされないときはどう行くか。京都はおそらくサイド(のコンビネーション)で剥がしてくる。そこで(エデル)リマが行くのか、(内田)健太が行くのか、はっきりするなどの話をしてきた。京都の先発に誰が出て来るのかでも戦い方は変わってくる」(伊藤監督)

恐らくベンチスタートの横谷繁。彼はチームに活力をもたらせるためのパフォーマンスを練習で発揮することを意識してきた。途中出場のチャンスがあれば、ヘディングで1発決めてほしい。

CBで先発見込みの新井涼平。ケガで苦しんできたがラストピースのナンバーエイトとしてチームを助けるパフォーマンスを期待する。

まり、ブレずにやるということ。悪い想像ばかりしても仕方がないし、伊藤監督は今節を「勝点3かゼロの試合」と言い切っているんだから信じて、強気でやるべきことをやって、今季の甲府が積み上げてきたものをぶつける。そして、湯澤聖人が「鹿児島戦の勢いを持って試合に入って11人でもう1点取りたい。これが今の甲府の理想というか、一番合っていると思う。手応えは鹿児島戦で感じた。京都は剥がしてくる個の上手さは鹿児島よりもあるけど、相手を意識過ぎるよりも失点を抑えながら自分たちがやってきたことを100%出す方が大事。(ピーター)ウタカとアラーノがいるからカウンターでも仕留められる。ただ、”積極的に行く“と言っても、5枚の最終ラインのひとりとして守備は手堅くいきたい。前に行きつつも、速く戻ることを意識したい。個人としては気負い過ぎるとよくないのでチームの枠の中で仕事をしながら強度の部分を上げたい」と話した。彼の言葉に全て入っているように思う。付け加えるなら、もし10人になってもやり切る。

極的にボールを奪い行くし、チームメイトのカバーもするが、個々に負担を厭わずに守備を全力でやる。90分間この戦いをすることは簡単ではないけれど、ファン・サポーターの声を力に気力と体力を振り絞って戦う。可能性としては終わりではないけど、”負けたら終わり“という言葉が選手から出てきた今の甲府は、掛け値なしの追い詰められた必死さをチームとして出し切る試合にできるはず。個々に思うところはあってもチームの為に自分の役目を果たし切る。横谷繁は「引き分けも許されない試合だと思う。僕自身も練習からみんなに見せられたら…チームの活力になったらいいと思ってやってきました。自分が試合に出られなくてもそれがチームの勝点3に繋がればいいと思っているし、その一人でありたい。(チームメイトのプレーに不満があっても)それをストレスにしたらいけないと思います。ここまで来たんでやり切るしかない」という。

ベンチスタートの金園英学は雰囲気作りからチームに貢献しようとしている。


手のコメントからは割り切る強さや一つになろうとする気持ちが伝わってきた。彼らがピッチに立つときのプレッシャーは相当だと思うが、ゲームプラン通りに行かない局面や時間帯でも即興性で打開する自信やポジティブさを出せる試合にしたい。立ち上がりの積極性だけでなく、「京都にボールを持たれる時間もあるけど、京都が“持たされている”と思わせる感覚に陥らせる守備もしないといけない。そして、持たれることが嫌なチームなので我々もボールを握ることに徹すればできるので50/50くらいの数字にして京都が嫌がるカウンターも出したい」という伊藤監督の大枠のゲームプランをチームとして遂行したい。

季なかなか長い連勝ができなかったのは連勝をするための貪欲なメンタリティが足りなかった。ただ、J1で残留争いをしていた昔もJ2で昇格争いをしている今も、追い込まれたときの1勝をもぎ取るメンタリティも力も充分にあるのが甲府の伝統。勝点1では足らない残留争いをするチームが必死で勝点3を取るような試合でもいいと思う。昇格争いでも残留争いでも勝点3という数字の価値は変わらないんだから、ファン・サポーター、選手自身の夢を残留させるための勝点3を奪い取ることに全てを賭けよう。
(マツオジュン)

紫の仮想京都のサブ組も、黄色の先発組も勝利のための紅白戦を行って準備してきた。

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