山梨フットボール

伊藤彰監督インタビュー第2回「変革期」

大宮でも共に仕事をしてきた横谷繁が1年で契約満了を通達された後、伊藤監督は横谷を監督室に呼んだ。共に納得がいかないクラブの決断だったと思うが、横谷は「(伊藤)彰さんの言葉が力になったし、一緒に泣いてくれた」と話した。会社でもサッカークラブでも人事というのは非常な面があるが、アマチュアとプロで選手経験が長い伊藤監督の選手を想う気持ちは信頼できると思う。来季、選手は気持ちをぶつけて信頼関係をしっかり作り、強く戦ってほしい。

「クラブが大鉈を振るった以上、残った選手には責任がある」

――来季、クラブの方向性として若手に切り替えるというのは正式に決まったことですか?

それは一つとしてあります。そこを見据えた上での補強は佐久間(悟)GMと話しています。そのなかで、クラブから“もし”30代の選手を推薦されたとしても“そうですね”とは言えない。30代の選手を取るなら契約満了にした選手を残したほうがよかったとなるからです。

――クラブが若手に切り替えるということで契約満了になった選手も受け止めていますからね。

そこは彼等に対するリスペクトがないといけないと思います。その気持ちのところは抜け落ちてはいけない。

――今季は若手にも多い少ないはあってもチャンスがありました。しかし、掴み取れなかった。来季、若手に切り替えてベテランが大幅に減るとチャンスは増えますが掴み取ったチャンスではなく、与えられたチャンス。若手はそこを自覚して取り組む必要がありますね。

それもあるけど、これも一つのチャンスだと思います。(与えられたチャンスでは)彼らの成長曲線は低いと思うけど、そういうチャンスをモノにして経験を積み重ねることはアリだと思う。チャンスには何パターンかあって、自分で掴み取るチャンス、ベテランから取るチャンス、あとはクラブの金銭的な事情などで掴めるチャンス。どれも自分が成長するチャンスであることは変わらない。クラブの変革は甲府の若手にとってはチャンスで、”だから残ろう”という選手もいると思う。

――甲府は長年3-4-2-1がベースとなるスタートポジションでした。来季、3バックか4バックかという点についてはフラットにスタートする考えですか?

そこはフラットです。新しいものはやっていかないといけないが、クラブに“こうしないといけない”というものがあるならそうするけど、クラブには変わっていきたいという意図はあると思う。ファン・サポーターの皆さんがどう思っているかは分からないけれど、イノベーションをしていくことは大事だと思う。ガラッと変えることにはメリットもデメリットもあるから少しずつ…、今季はその第一歩は踏み出したつもりではあるから来季は第二歩、第三歩を踏み出せるようにやっていくことが大事になると思います。

(残り 782文字/全文: 1997文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ