山梨フットボール

トレーニングマッチ(5-0○ vs東京農大学 30×3)レポート「オーガナイズの向上が見られ、5-0で完封締め。金園英学は2ゴール、ドゥドゥと内田健太の躍動も光る」【練習場から】

今季の副キャプテンのひとりであるドゥドゥは早速キャプテンマークを付けてプレーした。

今季3試合目、静岡キャンプ最終日(1月24日)のトレーニングマッチは30分×3本(4バック)で行われ、1本目が1-0(得点者:ラファエルPK)、2本目が1-0(得点者:金園)、3本目が3-0(得点者:金園、野澤、荒木)とスコアでも見た目でもスッキリした結果。全体的な印象としては、新チームになって組織としての戦い方や約束事のオーガナイズが初めて一定以上取れていた試合というもの。試合後の選手や伊藤彰監督のコメントには楽観や大きな満足感を表すものはなかったが、オーガナイズのレベルが高くなったことは好印象だし、5ゴールも嬉しいし気分もいい。ゴールに関しては金園英学が2ゴールで昨季終盤の流れが繋がっている感じが強くなったし、野澤英之と荒木翔が決めたことも良かった。ただ、少し時間をおいて冷静になると、“プロ相手だと、アシストのクロスを入れる前の1対1でそんなには勝てないだろう…”、“ゴール前のプレッシャーはもっと厳しい”という冷や水を浮足立ちそうな心にかけることもできた。だからこそ監督・選手のコメントがスコアに比べて渋かったんだと思うが、静岡キャンプでトレーニングマッチを3試合戦い、1戦ごとにオーガナイズと選手のコンディションが高まっていることは事実。プロ相手のトレーニングマッチが4試合組まれている宮崎キャンプでどうなるかという楽しみや期待は膨らんだ。

1本目布陣

1本目(1-0)の収穫のひとつは2試合目をスキップしたドゥドゥがトップ下でプレーし、機動力や運動量やキープ力で時間を作り、攻撃と全体的な押し上げのレベル高めたこと。ラファエルのPKゴールはドゥドゥの突破で得たもので、ドゥドゥは先発候補として相当なアピールになったはず。ドゥドゥは好調だとアクセルを踏み過ぎてケガをすることが心配だが、ドゥドゥの個の能力は相手にとっては相当に嫌なものになることは確実。そして、ラファエルとドゥドゥが縦の関係でプレーし、2人の意思疎通が取れているコンビネーションもあり、間と時間を作れるブラジル人同士の感覚は武器。2人とも運動量を惜しまずに積極的に守備をするので、昨季の“(ピーター)ウタカが守備をしない”問題は起こりそうもない。あとは、ウタカ・クラスの決定力を発揮できるかどうか。今後のコンディションとコンビネーションの向上に期待したい。DFラインでは山本英臣と小柳達司のCBコンビに安定感はあったように感じた。泉澤仁は「オミ(山本英臣)さんが後ろからしっかりと声を掛けてくれていることが大きい」とオーガナイズ面でも評価している。山本に関してはコンディション面さえよければ計算もできるし頼ることができる。キャンプ中もしょっちゅうストレッチや補強の動きを行っており、離脱することなく若い選手に運動量でも負けずにやり切ったことに凄みを感じる。

相手ゴールラインから写真を撮っているので甲府の守備については遠くて分からないことが多いが、ボランチ絡みのパスやキープでボールを失ってカウンターを受けた場面以外はビルドアップでもオーガナイズは取れていたような印象。SBは左に左利きの荒木、右にも左利きの小林岩魚が入った。小林は右に慣れてきた感じはあったけれど、前にいる同サイド・ウィングの松田力が裏に走ったときに縦のボールを出せず。ボールの受け方や身体の向きを工夫して縦にも出さないと、左足でクロスを入れたりドリブルをしたりする中向きのプレーばかりでは読まれる。人生2度目の右サイドであったが、できる感じが出てきただけに課題も出てくるので小林の1upを期待したい。また、甲府のミス絡みで2回決定機を献上したものの、トレーニングマッチ2試合目の河田晃兵がしっかりセーブして、“GKで勝った1本目”と言おう思えば言えるプレーを見せたことも良かった。

ラファエルは献身的な守備をするし、ドゥドゥとのコンビネーションに可能性を感じさせた。PKはしっかり決めてエース候補としての役目も果たした。

松田力はワントップが定まってコンビネーションが見えてくればアシストとゴールの両方で頼れる選手になる。

右サイドで奮闘する小林岩魚の守備面は計算できる。攻撃では運動量を活かしながら、経験値と試合勘と連携を高めていきたい。

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