山梨フットボール

無料記事「6月3日(水曜日)――新型コロナ対策を徹底した中で――全体練習始まる」【コラム&インタビュー】

全体練習再開となった6月3日(水曜日)、伊藤彰監督は選手・スタッフに緊急事態宣言解除後もより一層の警戒・対策が必要な立ち位置に自分たちがいることを改めて伝えた。

体練習が2日間のオフ明けの6月3日から再開された。藤原弘社長や佐久間悟GMがリーグ戦再開に向けたスケジュールや見通しを話した後、伊藤彰監督が選手・スタッフに対して新型コロナ対策を緩めることなく継続することを求めた。

急事態宣言が解除されて一般の人の中には自由にやり始めた人もいるが、我々は家族を含めて、クラブとしてコロナ感染者が出るリスクをできる限り最小化したい。(感染リスクが高いところに)我々は行かない。我々はココで、このピッチで仕事をして、しっかりやっていく。(感染リスクが高いところに行くことは)避けて貰いたい。(リスクを避ける行動様式で)家族に迷惑をかけることにもなるが、我々はリスクマネージメントをして生活をしていかないといけない。我々はトレーニングを続けていかないといけない。もし、我々からクラスターが発生するとトレーニングを続けることはたぶんできなくなる。(リーグ戦再開後の)試合結果にも影響が出る。一層アラートに生活をして欲しい」(伊藤彰監督の話の趣旨抜粋)

Jリーグやプロ野球は間もなくリーグ戦が再開する予定だが、アマチュアスポーツが自粛している中でプロスポーツが再開する大義は、新型コロナ禍が終息前の収束段階でもしっかりと対策をすれば社会節活の一つであるプロスポーツの興行ができることを証明すること。プロができれば、そのやり方をアマチュアスポーツでも踏襲して段階的に再開することができる。多くの人が戦い・苦しんでいる社会状況の中でプロスポーツ選手が活力を社会に提供することも大儀。

して、大義の背中には”現実”というプロスポーツ界が抱える経済的な危機――巨人とJ2の地方クラブでは立ち位置も体力も全然違うけれど、プロスポーツ界は文句も言わず、弱音も吐かずに耐えている――があり、ファン・サポーターのためだけではなく、プロスポーツ界という自分たちの生活の場を守る、壊さないための戦いでもある。伊藤監督は有体な言い方はしていないが選手もスタッフも骨身に沁みて感じているはずで、試合に勝った・負けたの前にリーグ戦を再開させるために――絶対に感染しない対策はないので、もし感染者が出ても当人・家族を責めることはあってはならない――できる限りの対策を緩むことなくやるという決意であり、現状再確認の言葉だと思う。

ロスポーツ界だけでなく、各種業界団体も事業・営業再開ために感染症対策のガイドラインを作り、それに則って努力をして段階的に進んでいるが、注目度が高いプロスポーツが再開に成功する意義は大きく、各個人の対策と努力が結集してこそ大きな成果になるはず。J1名古屋やプロ野球の巨人から感染者や感染歴がある選手が判明したことが大きなニュースになったけれど、これは教訓にすべきで”世界の中の”日本対コロナ戦が終わってはいないことを明確に教えてくれている。一個人や一クラブの努力だけでは何も進まないが、Jリーグの一員としてVF甲府は責任を果たしながら進んでいく。その結果の公式戦がどれだけ尊く、選手の気持ちと身体が躍動し、ファン・サポーターはどんなパッションを感じるのか。毎年やるのが当たり前だったリーグ戦では出せなかったものがきっと滲み出てくるはずで、大儀と現実を分ける必要ながない感情も生まれるはず。皆さん、それぞれの現場でもうひと頑張りしましょう。
(マツオジュン)

 

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