山梨フットボール

「今季初勝利の勝ち点3はボーナスのようなもの。ファン・サポーターがスタジアムで――サイレントでも――共に戦ってくれる素晴らしさを再確認できたことが最大の勝利」【2020明治安田生命J2リーグ第4節 甲府2-1金沢 レビュー】

ファン・サポーターがスタジアムに戻ってきた金沢戦。彼らと共に戦うことができる素晴らしさを再確認できたことが最大の勝利だった。

2020年7月11日 甲府2-1金沢(18:03K.O/山梨中銀スタジアム/入場者数1500人(新型コロナ感染予防対策制限付き)/天候 曇 弱風/気温 28.1℃/湿度 75%)

得点者 27’小柳達司(甲府)  35’ジュニオール・バホス(甲府)  54’島津頼盛(金沢)

◇◇◇◇◇

季の初勝利を喜ぶ前に、第2節(vs新潟,3-3△)、第3節(vs松本,1-1△)と無観客で行ったリーグ戦再開後の試合が――その時は公式戦ができることを喜んだけれど――味気なかったことを思い知らされた。山梨中銀スタジアムでファン・サポーターの姿を見たときに、”あぁこれだ、この感じ”と嬉しい気持ちがジワリと身体から湧き出てきた金沢戦。最大5,000人まで入場可能な規制ではあったものの、クラブは運営や安全面などを総合的に考慮して3,000人までと人数を更に絞って受け入れた。実際はその半分の1,500人の入場者数だったが――数字として見れば少なく感じるけれど――山梨中銀スタジアムにファン・サポーターが入っている姿は、5,000人、8,000人、10,000人のパワーや熱と同等に感じたし、距離を空けて座るファン・サポーターがいるスタジアムを見渡して”少ない”とは全く思わなかった。冷たい雨が降る水曜夜の天皇杯2回戦の観客数が1500人なら”少なっ!”と絶対に思うのに、不思議なもの・・・。

型コロナ禍でJリーグない日常が長く続き、”Jリーグない日常が普通・当たり前になった”という人は少なからずいたはず。病院や介護施設やスーパーマーケットやドラッグストアや運送・宅配会社やガソリンスタンドが無ければ生活に困るけれど、Jリーグやプロ野球や大相撲が無くても人は死なずに暮らしていける・・・リモートワークの普及で大きなオフィスが必要ない時代も来そうだし・・・。”ヴァンフォーレが無くてもそれなりに毎日楽しく暮らせる”という感覚がファン・サポーターの皆さんの中に広がることを恐れていたけれど、金沢戦を見て――勝ったから書くわけではないけれど――ヴァンフォーレ甲府はファン・サポーターや山梨県の人たちに活力を届けることができるクラブ、チームだと思えたことも嬉しかった。

ファン・サポーターだけでなく、運営ボランティアの皆さんも共に戦う場に戻ってきた。

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