山梨フットボール

「連戦の偶数試合を戦う水曜日グループが今季初のホーム凱旋試合を大逆転勝利で飾り、水曜日ゲーム2連勝。金園英学もドゥドゥも決めて山形戦に繋がる活力も得た」【2020明治安田生命J2リーグ第13節 甲府3-2愛媛 レビュー】

2020年8月19日 甲府3-2愛媛(19:03K.O/山梨中銀スタジアム/入場者数1,576人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き)/天候 晴 弱風/気温 30.7℃/湿度 63%)

得点者 33’中村亮太朗(甲府) 62’有田光希(愛媛) 72’川村拓夢(愛媛) 78’金園英学(甲府) 80’ドゥドゥ(甲府)

△△△〇●○○△△△○△ ◯

わって順位表を見てニンマリの4位浮上。2位の北九州とは6ポイント差、首位の長崎とは7ポイント差とまだ肉薄はしていないけれど、5連戦×6回の大連戦の一発目の4試合目なので焦る必要はない。2位以上に独走はさせたくはないけれど、東西に分けて戦っていたリーグ戦が全国区になって4試合目だし、甲府のターンオーバーが上手くいっているのでそう簡単には独走はされないと思う。

府は引き分け数が7で新潟と並んで引き分けキングだが、負け数は1でリーグ最少。ここにきて1回しか負けていないことと7引き分けが効いている感じ。7引き分けは勝点7ポイントで、2勝1分4敗と変換することもできるけれど、対戦相手に与えた勝ち点を見れば7引き分けは7ポイント、2勝1分4敗だと13ポイントを与えたことになるので、得た勝ち点は7ポイントで変わらなくても、与えた勝ち点は7ポイントと13ポイントと大きく違う。この差が順位に表れてくるし、42試合となればもっと大きな差になる。勝ち点2を失った引き分けもあるけれど、結果として負けないことが大事で、この意味で今季は特に引き分けが重要になる。

後半から投入された横谷繁と先発の中山陸のマッチアップは7番対決でもあった。中山は「(横谷)繁さんが、俺の後ろを狙っているのが面倒くさかった(笑)」と振り返るが、こういう感じの場面が少なくなかった。

媛戦のメンバーは連戦の偶数試合、水曜日の試合を戦ってきたメンバー。彼らはアウエーの試合が続いてきたが遂にホームで戦うことができるということで、山田陸は「ホームの青いユニフォームを着ることができて嬉しい」と殊勝なことを言ってくれた。両チームが3-4-2-1でスタートした前半は力関係が釣り合っていて見入ってしまう展開。9人を入れ替えるターンオーバーの甲府に対して愛媛は2人入れ替えただけで、9人を代えても一定の戦いができる甲府のチームとしての進化と自信でもあった。また、法政大の長谷川元希と関口正大がいないことを不安材料と考えていたけれど――対戦相手とのマッチングもあるが――琉球戦(2-1○)で長谷川がプレーしたシャドーに入った中山陸も、関口がプレーした右WBに入った小林岩魚も目立つプレーはなくても堅実さを発揮してチームとして力が落ちている感じは無かった。

合翌日に伊藤彰監督は「最も成長を感じさせたのは荒木翔」と話したが、先制点(33分)は荒木のクロスから。本人は中村亮太朗を狙ったクロスではなかったというが、中村は「僕は後ろから入って行って、DFはその場でジャンプだったから優位だった」という結果オーライの先制ヘディングシュートとなった。プロ初ゴールを決めて近くの選手に祝福された中村に同期の中塩大貴がDFラインから遠路遥々祝福に行き――コロナ禍では推奨はされないけれど――熱くハグ。中塩は「僕は同期愛を感じながら祝福に行ったんですけど、亮太朗からはあまり感じなかった。僕の片思いです(笑)」と見た目とは違って中村のクールな感じがあのハグにはあった。

端正で可愛い顔をしているが、ヘディングは強いし球際も強く、相手にはもの凄く嫌がられる――味方には頼もしい――選手に成長中の中村亮太朗。プロ初ゴールは素晴らしい先制点となった。

中塩大貴の片思い同期愛が溢れる祝福のハグ(コロナ禍では推奨はされない)。

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