【サッカー人気5位】【解説】事案発生後、すぐに報告した仙台…

山梨フットボール

「前半の半分で感じた磐田の最高ランクのプレッシャー。その中で粘り強く闘い抜いて得た勝ち点1と経験は上位追撃の糧となる」【甲府2020明治安田生命J2リーグ第21節 磐田1-1甲府 レビュー】

2020年9月23日 磐田1-1甲府(19:33K.O/ヤマハスタジアム/入場者数 1,617人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き)/天候 曇 無風/気温 26.0℃/湿度 52%)

得点者 37′ 大井健太郎(磐田)  51’松田力(甲府)

△△△○●○○△△△○△○●●○○○△△△

「81分にルキアンが交代でベンチに下がったときは“ラッキー”って思いましたけどね(笑)。昨日の試合中からずっと僕の頭の中ではスーパーマリオのコースクリアのファンファーレとパワーアップの音が鳴ったままです(笑)」(中塩大貴)

 

田戦(1-1△)翌日は、中2日のアウエー新潟戦に向けてフィールドプレーヤー13人+GK2人で練習を行い、磐田戦の先発メンバーはクールダウンを行った。クールダウン後、伊藤彰監督が少し話をして解散したが磐田戦のメンバーはストレッチをしたり、座り込んで13人の練習を見たりしてすぐには帰らなかった。リラックスした感じで前夜の磐田戦の話などをしていたが、一番茶化されていたように見えたのがDFの中塩大貴。山本英臣には「お前とは(コンビネーションが)合わない(笑)」なんて弄られていた。3バックの2枚を組むことが多いこの2人を中塩の“塩”と山本の“山”を取って“塩山(えんざん)”コンビと勝手に呼んでいるが、磐田戦はプロ1年目の中塩を山本がよく面倒を見たというか――逆サイドの今津佑太もそうだが――粘り強くミスをカバーした試合でもあったと思う。そして、中塩は先輩のお陰でもの凄く貴重な経験を――負け試合になることなく――積むことができた。

節、ホームで栃木に2-3で逆転負けを喫した磐田は伊藤彰監督の予想通り気持ちが入った立ち上がりを見せた。磐田の選手が甲府の選手よりも…というよりも今季のJ2リーグで最もアスリート性(足の速さなど総合的な運動能力が高い)があり、フィジカルの強さやサイズもあるチームだということは感じていたが、前半の飲水タイムまでの23分間で――もちろん技術の高さも――見せつけられた。その中で結構やられているように感じたのが中塩。磐田の選手の中でもっとも優れたフィジカル能力を持っているFWのルキアンーーすでに来季の水面下オファーが5クラブくらいからあるという噂――が3-4-2-1の右のシャドーで、左ストッパーの中塩と左WBの内田健太とマッチアップすることが多かったけれど、中塩も内田も大消耗したと思う。

中塩大貴(前列左)は磐田の強力FW・ルキアンとマッチアップすることが多く、やれた回数は多かったが強かに闘い、糧を得た。

日のクールダウン後に中塩に聞くと、答える前にちょっと鼻を膨らませてニヤッとしながら「“終わった”と思いました。マジでヤバかった」といいつつも、「映像を見返すとそんなでもなかった」ともいう。それは記者席で見ていても同じで、ヤマハスタジアムでは2~3点序盤でやられることも覚悟したけれど、DAZNで見返すと確かに“そうでもない”ようにも見える。戦場や災害の現場を生で見た人が、テレビの映像で同じものを見ると同じことを思うのかは分からないけれど、テレビの画面で見ると現場で見たときと同じ感情にはなれない。テレビがないと困るけど不思議な感覚…。

 

半からルキアンに何度か1対1でやれた中塩だが、チームメイトはよくカバーしたしGK岡西宏祐が自身の価値も高めるシュートストップの上手さを何度も見せてミスが失点に繋がることを防いでいた。磐田は8人くらいのターンオーバーをしてくるのが常だったのに、2人にとどめたのも気持ちが入っていた証拠。前半の飲水タイムまではお互いに血がたぎる攻防だったけれど、松田力が「やられてないからOKという気持ちだった」と話したように無失点で飲水タイムを迎えられたのは岡西の好セーブと運もあった。

水タイムはちょっとした作戦タイムでもあるので、甲府のベンチ前はさぞ熱い会話が繰り広げられるだろうと思っていたらそうでもなかった。ベンチの小柳達司は今津佑太に「ラインが合ってないのと、オミ(山本英臣)さん、今津、中塩のバランスが悪かったし、(相手にボールが入ったときに)人に行けてなかったから、裏を取られても戻ってクロスやドリブルに対応した方がいいという話をした」とアドバイス。これは納得も、一番アドバイスが必要だと思っていた中塩には何故かベンチのドゥドゥが通訳なしでアドバイスをしていて、山本や伊藤監督が中塩に話をするのかと思っていただけに拍子抜け。ドゥドゥに聞くと「ルキアンは足が速いからスペースを与えると危ない」的な話をしたそうだ。

水タイム後は山本がアンカーに上がって磐田のワントップとシャドーの間でボールを受けるようになると甲府のポゼッションが出始めた。飲水タイム前はずっと攻められていたのが、ボールを握る時間が増えたことでだいぶん冷静になれたと思う。ただ、どちらのボールでもヘディングで負けることが多かったし、磐田の方がヘッドでの落としが正確でセカンドボールを拾えない難しさは残っていた。そして、37分にFKから大井健太郎に頭で決められてしまう。磐田は高さがあるから折り返してゾーンディフェンスの隙を突いてきたが、189センチの大武峻が頭で折り返した時に、ゾーンの距離感のバランスが崩れて大井にチャンスを与えてしまった。

松田力(左)の同点ゴールがチームに大きな活力を与えた。クロスを入れた内田健太も松田と一緒にベンチに向かって走っていたが、喜びと気合が表情から溢れ零れている。

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