【サッカー人気3位】「この時のために練習を積んで毎日やって…

山梨フットボール

「内容で勝って試合に負けた。引き分けのトンネルの先にあったのは“勝ち切れない”ではなくショックを感じる負け。負けの意味をどう消化して次に繋げるか」【2020明治安田生命J2リーグ第24節 金沢2-1甲府 レビュー】

アウエーサポーター解禁となった第24節金沢戦。予想以上に多くのファン・サポーター駆け付けてくれたが内容で勝って試合に負けたことが残念で悔しい。

2020年10月4日 金沢2-1甲府(14:03K.O/石川県西部緑地公園陸上競技場/入場者数 2,745人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き)/天候 曇 中風/気温 25.9℃/湿度 49%)

得点者 37′ 島津頼盛(金沢) 50’小柳達司(甲府) 74’ルカオ(金沢)

△△△○●○○△△△○△○●●○○○△△△△△●

94分、CKのキッカー・松田力が右のコーナーポストから上げたボールは弧を描いて正確にメンデスがいたファーに届き、メンデスはマークに負けずに跳んで頭でミートしてみせた。甲府が5連戦の第3ラウンドで負けないための最後の希望がメンデスで、伊藤彰監督の賭けでもあった。しかし、叩き付けたシュートはGKが反応しにくい足元に届かずに手前でバウンドし、誰も触ることなく白井裕人の腕に収まり両チームの緊張が解けた。アディショナルタイムの4分は過ぎていて、まもなく主審が金沢の勝利を告げるタイムアップの笛を吹き、受け入れ難い9試合ぶりの負けを突き付けられた。

5試合連続引き分けのトンネルの先に負けが待っていたとは・・・。京都(0-0△)や磐田(1-1△)など個のレベルが高い相手との試合に引き分け、ターンオーバーで若手が悔しい経験を積みながら手応えも得てきた第3ラウンド。京都、磐田、新潟(1-1△)、東京V(0-0△)、金沢(1-2●)と対戦してきた第3ラウンドは最初の3試合が特に厳しい相手という認識だったが、金沢は――舐めてはないけれど――勝てる相手だと思っていたが、そこに負けた。

DFながらヘディングの強さを活かすためにFW起用されたメンデス。その強さは見せたものの劇的なゴールは取れなかった。

合が終わって暫くはイライラしたし、悪口もいっぱい浮かんできた。でも、DAZNで見返しながらいろいろ考えてみると、針が振れたんだと思うようになった。選手にその意図が無くてもチームとして、”いいサッカー“に針が振れ過ぎたような気がする。伊藤監督がZOOMの会見で「ちょっとアバウトでもゴール前に入れていかないと…。綺麗に崩そうとしている」と話したが、ポゼッションができるようになったが故にダイレクトにゴールを狙う怖さを出し切れないようになっていたのかもしれない。この点は伊藤監督も上手く導くことができなかった。相手を焦らすポゼッション、相手を引き出すポゼッションなどを入れる戦術的な余裕も必要だったかもしれない。

勝てる内容なのに歯車がちょっとズレているような感じがすることがもどかしい。

沢は前節の東京V同様に甲府の肝になるところのアンカーをケアしてきたが、甲府のアンカーはワンパターンではないので対応しにくいし、見た感じはシャドーの2枚に対してはマンツーマンで完全にマークすることは難しいと思いながらやっている感じだった。前半はアンカーの山田陸に対してベンチから伊藤監督が指示する声がよく聞こえたので修正点があったんだろうと思うが、悪くはなかったと思うし、シャドーの中山陸も――合わないスルーは勿体ない気がするが――ボールを失うことが少なく強さが高まっていた。ただ、この試合で気になったのがピッチコンディション。金沢の選手は慣れているかもしれないが、フワフワして見えて恐らく柔らかかったはず。13分に荒木翔が狙ってミドルシュートを打つ場面があったものの、軸足に一番体重が乗ったところで滑ってシュートが浮いてしまったし――金沢の選手にもあったけれど――甲府の選手が芝生に足を取られる場面は少なくなかったし、パスにも影響したかもしれない。コロナ禍のゲーム取材は監督・選手とコンタクトを直接取れないので聞けなかったけれど、芝生が絡みつくようでふくらはぎあたりの疲労感は大きいと思って見ていた。プロだから対応して当たり前かもしれないが――今週は押原Gの固めのピッチで練習したギャップもあったはず――若い選手が懸命に引き分けの流れを変えようとしている試合でこういう要素が加わるのは厳しい。

れでも荒木はチームがしんどい時や停滞しそうになったときに運動量をドリブルで発揮して局面を打開し、セットプレーでチャンスを作り、同期の今津佑太も積極的なオーバーラップで崩しのきっかけを作り、太田修介も攻守で貢献した。プロ3年目の同期加入3人が自身が無理をすることで若手を引っ張る姿勢を見せてくれたことは素晴らしかった。20分のCKは荒木が今津に合わせ、今津が頭で落とし、それがガチャっとなったところで詰めに行って決定機になったが最後のところはGK白井裕人が立ちはだかった。前節同様にボールのこぼれ方に運もなかった。

充分に戦える選手、チームなのに決め切れない何かがハッキリしない。

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