山梨フットボール

「運に頼る必要がない”きれいな勝ち方”で一つ積み重ねて4位浮上」【2020明治安田生命J2リーグ第33節 甲府2-0水戸 レビュー】

”きれいな勝ち方”をした水戸戦。スコアボードもいつよりきれいな気がする。

試合前の集合写真もソーシャルディスタンスが緩和されて、カッコいい距離感に変わった。

2020年11月11日 甲府2-0甲水戸(19:04K.O/山梨中銀スタジアム/入場者数 2,443人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、入場可能数の50%以下等の制限付き)/天候 晴 弱風/気温 11.6℃/湿度 49%)

得点者 21′ ドゥドゥ(甲府) 65’泉澤仁(甲府)
△△△◯●◯◯△△△◯△◯●●◯◯◯△△△△△●●◯◯●◯△◯◯◯

しぶりの”きれいな勝ち方だなぁ”と思ったけれど”久しぶり”と“きれいな勝ち方”という表現が選手や監督の癇に障るかなぁと思っていたら試合後のZOOM会見で水戸のボランチ・平野佑一が、「きれいに負けてしまった」と言ってくれたので使う勇気が出た“きれいな勝ち方”。

を以て”きれい”なのかは、ピンチがゼロはあり得ないけれど運の力を借りることなく実力だけで勝ったと感じたから。水戸に勝ってほしいと思って見ている人には水戸が主導権を取っている時間が長く感じたかもしれないけれど、ポゼッション率が水戸よりも低くても支配していたのは甲府。立ち上がりに山口一真に決定的なシュートを打たれたけれど、武田将平がシュートブロックしたし、8分のショートコーナーからンドカ・ボニフェイスにヘディングシュートを打たれたけれどメンデスが競っていて効果的なシュートにはなっていない。この場面はフィジカルのある選手同士のぶつかり合いで戦艦激突的な迫力があったし先発2試合目のメンデスは頼もしい。

府は4分にドゥドゥのシュート、7分にドゥドゥが背中を越えてきたボールを空ぶった場面があり、この2つも決定機だったし、水戸のツートップの背中を取ってポゼッションができていたことが主導権の証。そして、21分に左サイドで泉澤仁がテクニカルなターンをしてDFを躱して内田健太に繋ぎ、内田の精確なクロスをドゥドゥがDFの間に上手く入って頭で先制点を決めた。甲府の左サイドがストロングサイドであることを証明したチャンスメイクだった。ドゥドゥは大宮戦でヒビが入った伊藤彰監督との関係を修復するかのように”みんなでベンチに行こうぜ”的なジェスチャーで大げさにベンチに向かって走り、喜んだ。芝居がかった感じもあるけれど、こういう感じが憎めないし伊藤監督も受け入れる度量がある。なによりドゥドゥがここにきて好調で気分よくプレーさせることが勝利の可能性を高める。

21分に先制点を決めたドゥドゥがベンチに仲直りダッシュをして伊藤彰監督(左端)に抱き付こうとするが、その前に盟友・松田力が入って先に抱き合う。

ちょっと遅れてベンチ前に到達したドゥドゥを伊藤彰監督やベンチメンバーが囲んで祝福。

水タイム後の28分にはGK岡西宏祐から繋いだボールが水戸のプレッシャーを受けてビルドアップしきれずに押し込まれたが、山本英臣がしっかりカバーして対応。こういう安定性も”きれいに勝った”と感じた理由の一つ。水戸の攻撃力は確かに脅威ではあったけれど、33試合中31試合に出場している山口は何度かチャンスになりかけたものの、疲労感からかトップスピードになると足が絡まるような場面が2度ほどあって、ターンオーバーをしていないFWの疲労が出ていて本当の怖さを発揮できず。水戸の6番、ボランチの平野だけは低い位置からゲームを作っていたし、スルーパスも裏へのボールを出していてイヤな存在だったが、平野に対して山田陸が強めのチャージをして牽制していたのはよかった。

(残り 1568文字/全文: 3321文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ