山梨フットボール

TM鹿島戦レポート「タイトルを狙うJ1相手に多くはないが狙った形のチャンスを作り、凡系のミスから学んだ140分間の1-3」【練習場から】

TM鹿島戦 甲府1本目先発布陣。

外国人選手は出場しなかったが、質の高い選手が多い鹿島。永木亮太(ピンクビブス)などボールを失わない強さや上手さはJ1のトップクラブの質。

2月10日に35分×4本で行われたJ1鹿島とのTMを1~2本目を第1試合、3~4本目を第2試合と見れば第1試合は1-1の引き分け、第2試合は0-2の負け。鹿島はコンディション(未合流選手もあり)などの理由で外国人選手が出場しなかったので本来の攻撃力ではなかったが、甲府も外国人FWが未合流で、DFのメンデスだけという条件。”ほぼ”日本人選手の力量のみで――クラブの予算規模は全然違うけれど――イーブンな条件の対戦となった。

第1試合を得点だけで見れば”あの鹿島と1-1の引き分けか…フムフム”ということになるが、鹿島のKOの流れからメンデスが抜かれてクロスを上げられ、GK河田晃兵が防ぐもこぼれたボールを決められてしまった。これはオフサイドの判定でノーゴールだったけれど、4分にも縦パスを入れられて鹿島のSHの松村優太(19歳)のスピード(J1でもかなり上位だと思う)にメンデスがついていけずにシュートを打たれていて、立ち上がりはバタバタした。11分にも鹿島は決定機を外していて、鹿島からすれば決定力不足ということになる序盤。甲府から見れば、メンデス(ストッパー)、金井貢史(WB)の左サイドに湧き出してくる鹿島の選手をどう捕まえるかの判断やグループとしての守り方に修正点があることを学べたのでよかった。山本英臣が「こういうレベルがあるということを知らないといけない」と話したが、今の鹿島は前からボールを奪いに来るし、攻守の切り替えも速く、このレベルを知って準備をすることがリーグ戦で少しの余裕に繋がればバタバタしたことも収穫。

甲府は前からボールを取りに行くからそれがハマらなければ鹿島のような上手い相手はクサビのボールを入れたり裏を狙うのは当然で、TMでこういう現象に慣れておくことは実戦的。立ち上がりはクサビのボールの入り所を潰せなかったけれど、山本英臣のところで潰せるようになるなど――”序盤に2点くらい喰らっていたかもしれない”とは思っていたが――10分頃からはゲームが落ち着いてきた。そして、17分に鹿島のビルドアップのミスのボールを奪って泉澤仁がミドルシュートで先制ゴールを挙げた。素晴らしい判断と技術のゴールだったけれど、贅沢を言うなら相手のミス起点ではなく、崩して決めるゴールも見たかった。

1本目は現時点でのベストメンバーに近いと思うけれど、ボランチに関して伊藤彰監督は4人(野澤英之、野津田岳人、中村亮太朗、山田陸)全員がやれると思っているし、開幕スタメンという視点ではWB、CB、GKなども――新井涼平はこのTMをスキップ――競争に決着がついているとは思わない。例え開幕スタメンを獲得しても第5節、第10節、第15節となれば台頭する若手が中堅やベテランからポジションを奪う可能性は充分にある。この状況で現時点のベストメンバー的11人でやれば鹿島相手に立ち上がりのバタバタを”都合よく”除けば悪くない1本目だった。33分の失点は左で金井が抜かれて逆サイドの大外に上げられたクロスに荒木翔が寄せきれず、GK河田もファーのシュートをセーブできずの失点で、選手間で問題を共有して修正できるなら価値ある失点。これも悪くないこと。

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