「予想以上に上回ることができて2-0。流れの中からのフィニッシュに課題ありもセットプレー2発でカバーに成功」【2021明治安田生命J2リーグ第2節 大宮0-2甲府 レビュー】
2021年3月6日 大宮0-2甲府(14:03K.O/NACK5スタジアム大宮/入場者数 4,000人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き。入場者上限5000人以下、または、収容率50%以下での試合開催)/天候 晴 弱風/気温 19.4℃/湿度 40%)
得点者 30′ 新井涼平(甲府) 、77′ 野澤英之(甲府)
△◯
試合翌日、韮崎Gで行われた松本とのTM(2-0、得点者・野津田岳人、宮崎純真、45×2本)後、伊藤彰監督や渋谷洋樹ヘッドコーチと話した時に大宮に勝った喜びよりも少し寂しそうな雰囲気を感じ取った。長くて厳しいリーグ戦、大宮に勝ったことに浮かれることなく持っている危機感や緊張感を”寂しさ”と勝手に取り違えているのかもしれないが、伊藤監督就任後、対大宮戦は5戦して4勝1分。昨季は激闘だったけれど、今季の前期アウエーゲームの大宮は守備のオーガナイズが整っていない印象。後半終盤のピンチ以外は失点の可能性が小さく、流れの中からは得点できなかったがセットプレーから2ゴールで無失点勝利。元大宮の選手もスタッフも”解任された”、”チャンスを貰えなかった”という記憶よりも、心の底にあって消えることがない、”育ててもらったクラブ”という感情が増幅されてしまう余地がある勝利だったのかなぁと思ってしまった。
甲府もJ1時代・カップ戦を含め、隣県のライバル・松本との直近の7試合は1分6敗で、悔しく腹立たしいけれど大苦戦中。19年度の松本(J1)の営業収益は約27億、甲府は約15億(J2)で、予算規模で甲府を抜き去り、大きな差をつけられた松本から甲府の選手にオファーが来ることにもジリジリしてしまう。対大宮で甘っちょろいセンチメンタルな気分に浸れる余裕はないけれど、19年度の資料で甲府の約2.3倍(約35億)の予算規模があり、トレーニング環境も充実している大宮が監督交代があったとはいえ、戦前の予想に反して――伊藤監督は分析し対策して、いい方の想定のなかに入れていたと思うが――一定の余裕を持って勝てたことを寂しく思ったのではないか…。センチメンタルを引き摺っているというよりも、”もう終ったこと”、”次の栃木戦が大事”という感じではあるし、勝って嬉しいし、素晴らしい勝利だったけれど――まだ2節でそんな余裕はないけれど――拍子抜けした思いもあるのが正直な気持ち。
ただ、元大宮の伊藤監督、新井涼平、泉澤仁、浦上仁騎、山田陸が試合前に紹介されたときに、拍手を送ってくれた大宮ファン・サポーターの温かい気持ちは有難く、素晴らしいと思うし、あとでそれを聞いた山田は「本当に嬉しかった」と喜んでいた。能力が高い選手が揃う相手なので後期の対戦は全然違うという覚悟はあるし、目的を達成するために貪欲に勝ち続けるメンタリティが必要なので――現場は甘っちょろくない――一喜一憂的な考え方や感じ方を変える必要はあると改め自戒した。
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