「新潟は強い、でも甲府も強い。J1昇格のために小手先ではなく、積み上げてきた武器と自信で真正面からぶつかって勝利の鍵を見つけ出す試合にしたい」【2021明治安田生命J2リーグ第17節 甲府対新潟 プレビュー】
2021年6月5日(土曜日)甲府対新潟(14:00 KICK OFF/JITリサイクルインク スタジアム)
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「小手先の技術を披露するゲームじゃない」と伊藤彰監督が言い切った新潟戦。前節2-1で琉球に勝って連敗を止めて首位に立った新潟はボールを持てるチーム。琉球戦は55%、第15節の京都戦(0-1●)は57%、第14節の町田戦(1-2●)は70%、第13節の松本戦(0-0△)は69%、第12節の大宮戦(3-2○)は70%、第11節の千葉戦(2-0○)は64%と高いボール保持率を結果に関係なく持つ。これは特徴であり脅威で、伊藤監督は「少し前のバルセロナみたい(な志向)」という。
この新潟に甲府はどうやって勝つのか。新潟が2連敗した時、町田戦では太田修介が2点目を決め、京都戦では川﨑颯太が決勝点を決めており、甲府のアカデミー出身者のゴールが負けをつけているが、ジンクス勝負ではないし、唯一のアカデミー出身の小林岩魚が今節出場する可能性は低い。小林の活躍は水曜日の天皇杯(vs福井U)まで待つとして、「(対策を)全部やろうとしても難しい。我々がやろうとすることをハードワークして出すことが大事」と伊藤監督はいう。
策がないわけではなく、ここ最近新潟と戦う相手は左サイドのドリブラー・本間至恩をケアしてきているが、それで松本は一定の成功を収めたが、対策の対策として新潟も本間のサイドが消されたときに逆サイドで対応。対応の対応を考えると、今度は対応なしで普通になるので結果として今は個の特徴は頭に入れて戦うが、普通に戦うという”逆の逆的な流れ”になってくる。もちろん、新潟に変化があればそれに対応することも想定内だが、ボールを7割持つことがある新潟が勝ってきているのはそれだけ攻撃しているし、攻撃される時間が短いから。甲府としては7割くらい持てる新潟に対して5割くらいに持ち込みたい。7割持たれて町田は勝ったが、甲府が目指すフットボールは主導権を取ることにあるから町田方式は――守ってカウンターの時間はあっても――選択しない。
広島時代からかわいがってくれたDF・千葉和彦がいる新潟との対戦を「むちゃくちゃ楽しみ。(千葉と)対戦するのは初めてなんです」という野津田岳人はリオ五輪代表入りのために出場機会を求めて移籍したのが新潟ということもあって「成長した姿を見せたい」とも話すが、試合については「主導権を握り合う試合は好きなんで、京都戦以上に主導権を握ることを意識したい」と質で勝負する覚悟。誕生日前日の試合だけに自らのゴールで「アラサーの27歳なんであんまり嬉しくはないですけどね」というゴールやアシストで貢献できるか注目。
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