山梨フットボール

「ミスを突き、ミスを突かれ、最後に追い付いた首位新潟戦。甲府が自動昇格を手に入れるために足りないものが見えた首位チャレンジ2連戦」【2021明治安田生命J2リーグ第17節 甲府2-2新潟 レビュー】

首位チャレンジ2連戦は2戦・2引き分け。対新潟戦は4試合連続の引き分けとなった。

2021年6月5日 甲府2-2新潟(14:03K.O/JITリサイクルインク スタジアム/入場者数 5,756人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き。入場者上限5000人以下、または、収容率50%以下での試合開催)/天候 曇 弱風/気温 27.3℃/湿度 40%)

得点者 21’泉澤仁(甲府) 35’谷口海斗(新潟) 56’谷口海斗(新潟) 89’メンデス(甲府)
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85分、本間至恩が甲府陣内でドリブルした時に中村亮太朗が身体を寄せて激しくバトルした時にスイッチが入ったと感じた。中村だけでなく、チームとして120%戦うスイッチが入った瞬間。本間が「オィ」と新潟の先輩――3学年違いなので絡みはないが――に怒りをぶつけ、中村も「なんだ!」的な言葉を返したそうだ。このとき、新潟県を出てプレーする選手の新潟でプレーする選手やチームに対する意地を感じた。

56分に谷口海斗に2点目を決められたときはチーム全体の活力が落ちたようにも感じていた。声を出して応援ができるのならゴール裏のサポーターは”ヴァンフォーレ”コールをすぐにしたと思うが、観客席の雰囲気も落ちた。拍手や手拍子で鼓舞したファン・サポーターもいたと思うが、スタジアム全体としての雰囲気にはならなかった。記者席で僕も”あ~~っ”となった・・・。ピッチでは少し荒いプレーで闘争心をみせる選手はいたけれど、リードしたことで新潟が受けてくれたこともあって甲府ボールになる時間が長くはなっていたけれど、チームとしての一体感は足りなかった。左サイドでは荒木翔と泉澤仁のパスの感覚が合わずにお互いにイラっとしていたように見えていた。メンデスは疲れていて、前にプレスに出て行くのを止めて下がり、荒木に行かせるなどしていて、しんどくてもチームメイトのためにカバーをし合うという雰囲気は欠如していた。しかし、そう意図した訳ではないと思うが中村の本間に対する激しいマークが、意地が、甲府の選手たちの感情のベクトルを一つにしたことで89分のメンデスの同点ゴールに繋がる流れになったと・・・勝手に思っている。

節の京都戦(0-0)もそうだったけれど、2試合連続の首位挑戦は素晴らしい準備の下でオーガナイズされた試合、立ち上がりだった。伊藤彰監督をはじめとするコーチングスタッフの分析やゲームプランにほとんどズレはなかったと思うし、選手もそれに応えたプレーを見せた。最大70%のポゼッション率を誇る新潟相手に結果として50%台には持ち込めない40%のポゼッション率の甲府だったけれど、新潟はボールを持っていてもやり難そうな持ち方で、数字ではないところでゲームプラン通り。

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