山梨フットボール

「昇格圏と勝ち点7ポイント差でリーグ戦折り返し。緊急事態下での2連勝は自信と活力」【2021明治安田生命J2リーグ第21節 岡山1-3甲府 レビュー】


2021年7月3日 岡山1-3甲府(19:03K.O/シティライトスタジアム/入場者数 3,125人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き。入場者上限5000人以下、または、収容率50%以下での試合開催)/天候 雨 弱風/気温 25.6℃/湿度 74%)

得点者 32’野津田岳人(甲府) 49’泉澤仁(甲府) 82’有田光希(甲府) 90’+1上門知樹(岡山)
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ったら勝ったで心配してしまうし、それが仕事だとも思っていないけれど、2連勝した群馬戦(6-2○)、岡山戦(3-1○)の終盤のしんどさは気になる点。群馬戦の失点は71分と90分、岡山戦の失点は91分。理由の一つは、新型コロナによる離脱選手が2名+α(クラブ判断による活動自粛)いることとケガ人で台所事情が厳しいから。かといってそれを現場の監督・コーチは理由にはせず、”今いる選手でやるしかない”と腹をくくっているし、伊藤彰監督は「”ここで頑張ろう”という思いはみんなにあったし、”ここで潰れないようにしよう”と思えた。現場だけでなく、(選手が新型コロナに感染したことが判明した時に)フロントやチームドクターや関係各所の迅速な判断・行動・協力が一体感に出ている」と話す。そして、大事を取って保健所よりも厳しい基準で接触者を特定して自宅待機(活動自粛)にしてギリギリの18名で挑んだのが岡山戦。

ームは前日移動で岡山に入ってからクラブ独自のより厳しい基準の元で新たな接触者を特定し、その選手(結果的には陰性)をメンバーから外して他の選手・スタッフとは接触しないようにし、山梨から新たに試合当日に1名の選手をスタッフの車で呼び寄せた。岡山戦当日は熱海で大規模な土砂崩れがあった日で、大雨で東海道新幹線も中央線の特急も止まり、東名高速も止まった中、新たに呼ばれた選手は中央高速道経由の約6時間の車移動を行い、ほとんど休む間もなくアップに入るという緊急事態。結果としてクラブの判断は正しく――ロッカールームなども常に窓を開け放っているのでクラスターが発生する可能性は低いと思われるが――大事を取って隔離、合流延期などの判断を下したことでクラスター発生の可能性を極限まで下げて最悪の事態は回避した。その分、後半の選手交代の枠がゲームをコントロールすることが特徴の選手が中心となり、運動量・機動力がある選手が少なくなってしまっている。

れでも新井涼平をCBからアンカーに上げる複数の可変が機能して得点力が向上しているから勝っている現在。岡山戦も立ち上がりは岡山に押されたものの、6分頃には主導権を取り始めて、飲水タイム後に野津田岳人の素晴らしい直接FKに繋がった。FKを獲得した鳥海芳樹のドリブルは素晴らしく、岡山贔屓の「自分から倒れてファールを貰いに行きましたね」なんて解説者の言葉があったけれど、あれは倒されたから倒れただけ。鳥海に「次も、FKゲットをお願い」というと、「今度はシュートまで行って自分で決めたいです」と笑っていたが、それもできる選手なので期待したい。

鳥海芳樹の攻守の機動力はパワーとトルクが必要な甲府の戦い方においては欠かせない。岡山戦では先制ゴールに繋がるFKをドリブルでゲットした。

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