『A.F.O.~All for One』 -サッカー映画で「ものづくり」を体験・・・ああこの中途半端さが堤幸彦(柳下毅一郎) -3,339文字-
企画・総監督 堤幸彦
監督 多胡由章
脚本 佃典彦
撮影 古市英高
音楽 近藤由紀夫
出演 石田卓也、岡本あずさ、ライオン・サントス、渡辺哲
名古屋電気学園百周年記念!えー、大正元年創立の名古屋電気学園は2012年に創立百年を迎えた。
で、
「大学として学生がリアルな『ものづくり』を体験できる場を提供できないかと考え、 本学客員教授の堤幸彦監督にご協力いただいて、名古屋電気学園100周年記念作品として愛知工業大学のキャンパスを舞台に愛工大生が制作する映画です」
まあ学生出演の自主映画なんてほっとけって話なんだけど、なんと客員教授の堤幸彦が原案と総監督をつとめるという。そのコネなのかなんなのか知らないがメーテレをはじめ協賛多数でそれなりの制作体制が整ってしまった。一応「映画」になってしまっているんだよ。恐ろしいこともあるものだ。そして愛工大で堤幸彦はいったい何を教えてるというのか。よっぽどそっちを知りたいわ!
さて、主人公は二部最下位を独走する愛工大の弱小サッカー部の女子マネージャー、瞳(岡本あずさ)。今日は試合の日であった。ただ一人熱血のキャプテンはGKをつとめる大倉(石田卓也)だが、彼は高校時代から一度も試合に勝ったことがないという「勝利の女神に見放されている男」。今日も試合前に……
「キャプテン!“桐山、部活辞めたってよ”」
「なに!たった一人のFWの桐山が辞めてしまったらどうなるんだ!?」
「でも就活だそうですから」
「就活か」「就活ならしょうがない」
試合は見事に0-5完敗。桐山のことが諦めきれないキャプテン大倉は瞳に頼みこむ。
「頼む!桐山を説得してくれないか? あいつはマネージャーのことが好きだったから、きみに頼まれたらきっと復帰してくれるはずだ……」
ことここにいたって瞳もとうとう激怒。
「あんたたち、まだ他人のためにやったりしてるわけ? どうして本気出そうとしないの? こうなったらあたしと勝負しなさい! 女子サッカー同好会を作って、あんたたちをぶちのめしてやるわ! 勝負は一週間後! あたしたちが勝ったらサッカー部は解散よ! 負けたら……あたしを好きにしていいわ!」
いや一応キャプテンから「おまえ、自分をどんだけ高く評価してるんだよ」とか突っ込みが入るんだが、そんなエロ漫画みたいな話でいいのか。何言ってるんだよ……と相手にしないサッカー部に対し、瞳は本気でメンバー集めにとりくむ。
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tags: サッカー スポーツ 堤幸彦 多胡由章 町おこし 石田卓也
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