▽[今週の殺し屋日記]　柳下毅一郎の5/1～15 『黒薔薇昇天』『her 世界でひとつの彼女』『狂棲時代』『ピース』『ノーマル・ラブ』『フレーミング・クリーチャーズ』

2014年06月09日 19時49分　
カテゴリ： ★無料記事 • 殺し屋日記

5/1（木）

ゴールデン街で飲んでいたら、隣に座った人が建築エコノミストの森山高至 氏だった。

ブログ愛読していたのでびっくり。森山氏、本気で安藤忠雄を倒す気だった。迷走をきわめる新国立競技場問題、なんとかいい方向に転がってくれればいいんだがなあ

 5/2（金）

『映画の生体解剖』刊行記念の稲生平太郎×高橋洋トークショー＠エスパス・ビブリオに行く。

いろいろ映像見られて嬉しかったが、なによりアンリ・ジョルジュ・クルーゾーの未完の作品L’Enferが見られて嬉しい。ていうか、もっと妙なシーンいろいろ見せてくれてもよかった気がいたします。

5/3（土）

シネマヴェーラ渋谷の岸田森特集で『黒薔薇昇天』見る。

谷ナオミってやっぱりこれと『悶絶!!どんでん返し』の二本の神代作品がいちばんいいと思うんですよ。

5/4（日）

京橋の警察博物館で「警視庁創立140年特別展　警視庁全職員アンケートで選んだ首都140年の十大事件」という展覧会をやっている。「首都140年の十大事件」なのに「東日本大震災」とか「御巣鷹山日航機事故」とか入れるのはどうなんだろうと思ったけど、いちばんいかがなものかと思ったのは「警察庁長官銃撃事件」が入ってなかったことかな。あと「首都圏女子連続暴行殺害事件」も入ってなかったな。ちょっと身内に甘いんじゃないかな、日本の警察は！　慎太郎閣下も大好きな少年ライフル魔の使用ライフル銃が展示してあり大興奮。たいへん楽しかったんだけど、ももクロに選ばせるくらいなら、オレに「本当の首都140年の十大事件」を選ばせていただきたい。感電殺人とか市電運転手七人殺しとか、いいのがいろいろあるぞ。

夜、鳳明館森川別館のSFセミナー合宿に。豊崎社長の企画に呼ばれたんだけど、あまり何もしないで、大森望から某問題について取材したくらい。

5/5（月）

新宿ミラノ３で『歌舞伎町はいすくーる』。

ヤクザが定時制高校に入る青春恋愛SF！　脚本が那須真知子！　とか何もかもが謎すぎる。なんでこんな映画作られたのか、見終わっても全然わからなかった……

5/6（火）

新宿パークタワーでイメージフォーラムフェスティバル。

今日はジャック・スミス特集で『ノーマル・ラブ』、『フレーミング・クリーチャーズ』などなど。いやあ、面白かった。ジャック・スミスって怪獣映画だったんだなあ、とか。ドキュメンタリーを見逃してしまったのが心残り。

5/8（木）

アスミック・エース試写室で『her 世界でひとつの彼女』。意外にもちゃんとＳＦだった！　最後、イーガンか？とか思ってしまったが、まあただの妄想かもしれない。その後ラピュタ阿佐ヶ谷で『狂棲時代』。白鳥あかねさんが映画を見に来てらした。旦那様の監督作だからいらしてたんですかね。『スクリプターはストリッパーではありません』（国書刊行会）たいへん素晴らしいので広くお勧め！

5/10（土）

『池澤春菜＆堺三保のSFなんでも箱７』 に呼ばれる。ジーン・ウルフ『ピース』の翻訳者である西崎憲さんが出演ということで、その聞き役をつとめるという体裁。ウルフの素晴らしさを堺に教えるというのがテーマだったんだが、どうやら啓蒙には失敗したらしい？　西崎さんはギターの弾き語りでウルフを朗読するというネタを考えていたらしいので、是非やってもらえばよかった……

5/15（木）

夜、訃報が入る。鈴木則文監督逝去。国書刊行会のＴから連絡があったので、そのまま痛飲。