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柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『東京~ここは硝子の街~』 これいったいなんなんだ映画祭、本年度堂々の優勝作品!ケツ、踏切、東京タワー、そして東京ボーイズコレクション(柳下毅一郎) -4,458文字-

 

東京~ここは、硝子の街~東京~ここは硝子の街~

監督 寺西一浩
脚本 寺西一浩・入江おろぱ
製作総指揮:大原英嗣
音楽 荒井久美子・岡部波音
出演 木村敦、JK、中島知子、田島令子

 

ico_yanこれいったいなんなんだ映画祭、本年度堂々の優勝作品の登場である。

これいったいなんなんだ……と言うなら、一言でいえば製作・監督・脚本・原作をつとめる「田中真紀子の隠し子(自称)」が撮った映画である(正確には自称しているわけではないようだ)。映画オフィシャルサイトから彼の経歴を引用する。

 

 

寺西一浩
小説家・映画監督 1979年10月2日生まれ。
3歳で、女優・山岡久乃に見初められ子役として活動。慶應義塾大学法学部卒業。慶應大学在学中に出版したエッセイ『ありがとう眞紀子さん』が話題となり文壇デビュー。
その後、24歳の時、業界最年少で芸能プロダクション、株式会社トラストミュージックエンタテインメント代表取締役に就任し島倉千代子歌手生活50周年事業を成功させる。その後は、小説家、プロデューサーとして活躍。著書に、「クロスセンス」「新宿ミッドナイトベイビー」「女優」、世界初電子書籍連載小説「Mariko」を配信。
2011年、「女優」が映画化されるにあたり、自身が監督デビュー。
「女優」は、第15回上海国際映画祭正式招待作品に選ばれ主演・岩佐真悠子とレッドカーペットを歩く。また、第25回東京国際映画祭、東京中国映画週間オープニング特別上映作品に選ばれ開幕式でグリーンカーペットを歩き話題となる。2013年、映画「東京~ここは、硝子の街~」を監督・脚本・プロデュース。日本最大級の男性ファッション&音楽イベント「東京ボーイズコレクション(R)」を大原英嗣氏と共に主催。ゴールデンバード賞主催。2014年、「新宿ミッドナイトベイビー」(出演:大原英嗣、浜田ブリトニー、KIMIN、マルコス、岩井志麻子 他)が映画化決定し監督をつとめる。

ありがとう真紀子さん 処女作『ありがとう眞紀子さん』では田中眞紀子との十年にわたる交友をつづり、そこから隠し子説が出て来たとかなんとか。もちろん田中事務所は「そんなことあるわけないだろ」と一笑に付して終わり。その後は年上の女性に取り入りながら名をなして、いつのまにか映画まで作ってしまった。今は何をしているかというと新宿二丁目でショーパブみたいなクラブを経営しているそうで……そういう経歴を活かして作った本作はそのクラブ〈KISEKI〉も登場する男と男のラブ・サスペンス!

えー、とは言ってもこの映画、何から何まで謎だらけなので、ストーリーを説明するだけでは映画の中身が伝わりそうもない。そもそもこの謎だらけの男寺西くんはこの映画を作ることで何を訴えたいのか? 寺西くんが見せたかったものは三つ「東京ボーイズコレクション」「男のケツ」「東京タワー」である。まったく無関係に見えて、フロイト的につながっているというところがミソだ。

 

予告編

 

東京ボーイズコレクションは先述のとおり寺西が開催した男性イケメンモデル大集合の催し。寺西にとっては(いろんな意味で)一大ページェントであり、そのイベントをみんなに見せたいと願うのは当然のことだろう。というわけで映画の中では主人公が若くしてクラブを経営しながら「東京ボーイズコレクション」の開催に向けて邁進する。もちろん実際のイベントの映像が映画の流れなど無視して大量に投入される。

まあもともと流れなんてないんだけどね!

「男のケツ」は主人公がやたらとセックスしまくるから。もちろん男同士で。そう、この映画はそっち方面の人垂涎の濡れ場大全開の映画なのである。主人公はやたらもてるプレイボーイだが、なぜか正常位一本槍なのでケツばかり延々見せられる。まあこれは監督が見たかったものなのだろうからしょうがない。「東京タワー」。この映画の特徴としてやたらと流れを無視して風景映像がインサートされるのだが、そこで出てくるのが東京タワー。そして京王線の踏切。何かというと東京タワーの映像がサブリミナル映像のようにインサートされる。その合間には機動性を優先したのか三脚を使うのが面倒臭かったのか知らないが、やたらと手持ちカメラの不安定な映像が続く。普通に人が玄関から出てくるのを手持ちのフィックスで撮ってたりするので苛立たしいこと甚だしい。で、どうでもいいんですけど、これ世界進出を狙って全編英語字幕がついています。

 

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(残り 2641文字/全文: 4475文字)


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tags: 中島知子 大原英嗣 寺西一浩 木村敦 田島令子

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