『生まれ変わりの村』『和~WA~』 輪廻転生とまさかのアマチュア無線映画に脱力度さらに加速! 年末特番スピリチュアル映画祭り [後篇] (柳下毅一郎) -3,633文字-
『生まれ変わりの村』
構成 生まれ変わりの村製作グループ
出演 小木重光
『和~WA~』
監督・脚本 森田健
出演 星野聖良、新田海統、森田健
もりけん映画祭り第二弾! 残る二本はドキュメンタリー映画『生まれ変わりの村』と東日本大震災をきっかけに製作したという『和~WA~』。と聞けば当然気になるのはもりけんの輪廻転生思想が全面的に展開するドキュメンタリーのほうだろう。だがあにはからんやこっちは全然面白くなくて、面白いのは『和~WA~』のほうなのだった。まあ本物の人っていうのは往々にしてそういうところがある。本気で語り出すとつまらなくなっちゃうんですね。本日も満員で空いてるのは最前列だけ(かなりの数の席が前売りで売られているので、空席もちらほら。ノルマかな)。
『生まれ変わりの村』は森田健が発見したという中国奥地に存在する「住人の多くが前世を記憶している村」に取材したドキュメンタリー……かと思いきや、別に取材するわけじゃなくて、そこで聞きこんだ話を再現ドラマ風に作るだけ。なんでもその村には「あの世で出されたスープを飲むと記憶が消える」という言い伝えがあるため、みなスープに対して意識的で誰も飲まず、かくして前世記憶者だらけの前世の村ができたのだという。まあそれはいいとして、ならその村に取材に行けよ!と思うのだがもちろんそんなことはせず、三人ほど中国人が証言するだけ。村の名前もわからないし、そもそもその三人が本当に村の出身者なのかどうかもわからない。
小木茂光という人がナビゲーターを務めるのだが、スタジオに立ってナレーションをしていくだけ。前には椅子が並べてあるのだが、最後まで空っぽで誰も座らない
じゃあなんで椅子が並べてあるのかわからないのだが、彼は淡々と空の椅子に向かってスープの説明を続けていく。
「スープはどんな風に出るのでしょうか?」
と自問して出てくるのが『スープ~生まれ変わりの物語』とか『ワンネス~運命引き寄せの黄金律』とかもりけん映画からのクリップ。それで
「いろいろなかたちがあるようです」
って自問自答したうえによくわからないまま! 最後にはもりけんの講演の録音が流れるのだが、それは愛犬フェルルが死んだのち生まれ変わってきたというお話。なんでももりけんの妻の夢にあらわれて、「生まれ変わるから」とメッセージをよこし、翌日ブリーダーのところで生まれ変わりの犬を買ってきたのだという。名前はリボン=reborn。フェルル、もりけんが『生まれ変わりの村』を準備中に散歩で連れ回していたので内容を知っており、スープを飲まなかったのだ!
やれやれ。いやだがぼくが見たかったのはこっちではなく『和~WA~』のほうなのだった。この映画、『ワンネス』の主題歌を歌っていた声優アイドルっぽい声で声優アイドルっぽい顔をした星野聖良がヒロインをつとめる……というのでたいへん気になっていたのである。というわけで映画がはじまると……
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