『芸術家とモデル』 〜スケベ老人の女性賛歌
『芸術家とモデル』
El artista y la modelo スペイン映画
監督:フェルナンド・トルエバ
脚本:フェルナンド・トルエバ、ジャン=クロード・カリエール
出演:ジャン・ロシュフォール、アイダ・フォルク、クラウディア・カルディナーレ
これまたサンセバスチャンで見てきた映画である。
監督はフェルナンド・トルエバは『ベルエポック』でアカデミー外国語映画賞を受賞したスペインの名匠。脚本はブニュエル後期の共作者として知られるジャン=クロード・カリエール。主演は『自由の幻想』などに出演した名優ジャン・ロシュフォール。最近ではテリー・ギリアムの『ドン・キホーテを殺した男』に出演するはずだった。モノクロームの画面も格調高い堂々たる芸術作品である。
ときは第二次世界大戦まっさかり、舞台はフランス/スペイン国境付近の小さな町である。
ジャン・ロシュフォールはかつては有名な彫刻家だったが、今では引きこもってほとんど製作もしていない。占領軍のドイツ軍将校(にして元美術評論家の大学教授)とは立場を越えた友情を結んでいるが、それ以外はほとんど来客もない静かな暮らしだ。買い物のために街に降りてきた彫刻家の妻は、噴水で水浴びしている浮浪者の少女に目を止める。うまいこと言って娘を家に連れこみ、夫に会わせると、娘のムチムチの肢体を見ていきなり創作欲がわきだす老アーティスト。「あなたの好みだと思ったのよ」としてやったりの妻である。
寝るところと御飯が得られるからというだけでモデルを引き受けた娘だが、「え、裸にならなきゃだめなの?」とおっかなびっくり。だがそのうちにだんだん慣れ、気むずかしい芸術家ともぼつぼつ言葉を交わすようになる……
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tags: サンセバスチャン映画祭 スペイン フェルナンド・トルエバ 洋画
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