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柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『RANMARU 神の舌を持つ男(略)』 ここまで思いつきの失敗作に金をぶっこむとか松竹も堤幸彦にどんな弱みを握られているのか(柳下毅一郎)

公式サイトより

 

 

RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー! 略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編

 

監督 堤幸彦
脚本 櫻井武晴
撮影 小林純一
音楽 荻野清子
主題歌 坂本冬美
出演 向井理、木村文乃、佐藤二朗、木村多江、市原隼人、財前直見、黒谷友香、中野英雄

 

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『RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー! 略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編』

これがタイトルである。全部で135文字ということでひょっとしなくてもtwitterで話題になって拡散という狙いだったのかもしれないが、馬鹿じゃないのか。ひょっとしなくてもあと五文字残ってるってことは誰だって・・・

・・・ってtweetするに決まってるだろ! 堤幸彦さすがの浅知恵だな! そもそもこのネタ自体が二番煎じのパクりなのであって、かつてニュージーランド製の低予算ホラーDeath Warmed Upが『いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか』というタイトルで公開された(他に売りどころを見つけられなかった)故事にちなむ。略して『マイドク』というタイトルで知られる映画にちなみ、本作も……『MA怪ド略』これで「まいどく」と呼ぶことを提案したい。オレは呼ばないけどね!

 

 

これ、舐めただけであらゆるものの成分がわかる「神の舌」の持ち主である朝永蘭丸という男を向井理が演じるTVシリーズの映画版ということなのだが、例によってそんなドラマは見たことがない。まあぼくはテレビを見ないので……と思っていたのだが、パンフレットを見てびっくり、あまりに元のドラマの視聴率が低かったのでTBSが劇場版に参加しなかったんだという。知らなかったはずである。プロデューサーの福島大輔は「夏のドラマは視聴率が下がるとわかっていたが、過去六年のデータを下回ったのは、今夏はオリンピックで日本選手が大活躍したからです」と低視聴率を正当化しているんだが、ロンドン五輪のときすら下回ってるならすでにその理論崩壊してるよ! そんなわけで誰も見なかったドラマの劇場版という『スシ王子』みたいなものが作られてしまったわけだが、そもそものドラマの原案も堤幸彦で、

「以前から“長く愛されるシリーズもの”をやりたくて、それに見合う条件を考えていくと「温泉人情もの」と「ミステリー」というキーワードに到達しました」

って火サスかよ! この設定で長く愛されるシリーズが作れると正気で考えていたのだとしたらそのほうが恐ろしい。ここまでひどい思いつきの失敗作を損切りもできず映画まで金をぶっこむとか松竹も堤幸彦にどんな弱みを握られているのか。思いつきはアイデアだけでなく、向井理によれば「だってもうわけのわからないことばかりやらされましたからねえ。台本に書いてないことをその場でどんどん足されて、金田一の格好もタイトルバックのフラメンコも全部撮影直前に言われたんですよ」という。もはやなんでこいつが映画を撮れるのか真剣に悩んでしまうレベルの適当さ。なお、ドラマのほうでは蘭丸に惚れてつきまとう古物商の女甕棺墓光(かめかんばひかる……木村文乃)と宮沢寛治(佐藤二朗)という凸凹コンビがおり、甕女が一ミリも面白くないギャグを言って、それに宮沢が突っ込むのがくりかえされるのだが、パンフレットにはそのすべての解説が載っていた! つまらないギャグの解説をしたってギャグが面白くなるわけではない!

 

 

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(残り 1406文字/全文: 3030文字)


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