『J番記者による大忘年会2017』~タグ祭り!~12/18渋谷で開催

柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『CH@TZONE』  AKB48のメンバー主演のラブストーリー。それにしてもげにしぶといのがプロデューサーという生き物である (柳下毅一郎)

公式サイトより

 

 

CH@TZONE

製作 大橋孝史
監督・編集 今野恭成
脚本 能塚裕喜、野渡駿、村川康敏
撮影 平野礼
出演 鈴木まりや、牧田哲也、折井あゆみ、りん(パラレルドリーム)、青山雪、長井秀和

 

face
鈴木まりやというよく知らないAKB48のメンバー主演のラブストーリーである。主人公の森奏子はアパレルショップに勤めるOL。海外に留学する夢を抱いており、その夢をかなえるために夜はチャットレディ(男と下着姿で一対一でチャットするお仕事)として働いてる。そっちの仕事での源氏名は“ハナ”。“ハナ”には相談事すべてに乗ってくれ、彼女の夢に的確なアドバイスをしてくれる上客“トレント”がいる。一方で会社の上司は奏子の企画に無理解だ。もういやんなっちゃう……と冒頭を聞いただけで結末まで全部わかりすぎるくらいわかってしまう映画を見てしまったのは、本作のプロデューサーが大橋孝史だからである。元ジョリー・ロジャー社長の大橋氏については書籍版『皆殺し映画通信』の古澤健監督との対談で語っており、その内容はなんとwikipediaにも反映されてしまっているのでこれは責任上見ないわけにもいかない。それにしてもげにしぶといのがプロデューサーという生き物である。会社が潰れようと、不払いが代名詞になろうと、プロデューサーは復活する。この生命力たるや。だがまあ作った映画の内容の薄さと言ったらwikipediaの記述以下で、チラシには「劇場公開作品」と書いてあるという……おそらくDVDパッケージをそのまま流用してチラシを作ったのだと思われるが、もうちょっとなんとかしようよ……予算のほうをさ……

 

 

「あの日、トレントさんが見せてくれようとした月を、私は見つけられなかった…」

 森奏子(鈴木まりや)は総合アパレルメーカー、パエンナ港町店の店員である。海外でファッションの勉強をしたいと考えており、店の研修制度への応募を模索中だ。「エシカルファッション」(無農薬栽培のオーガニックコットンとかなんとか……)をテーマにパワポ資料を作っているが、それを見せて相談している相手が夜のお仕事であるチャットレディのお客、“トレント”である。ちなみにこのチャットレディ屋、どうやら全員が同じアパートに住んで仲良くしてる家族経営らしく、さすがにそれってどうなの……?と思ってしまったぞ。ともかく顔も見せないトレントさん、エロサービスも要求せず、パワポ資料を見て的確なアドバイスをくれる親切さに奏子はすっかり心酔している。トレントさんに「本社の人間にも見せて意見を聞いたほうがいいね」と言われた奏子、本社に在庫を取りに行くついでに(これ、取り置きしておいた服を間違って売ってしまって、怒り狂ってる客を待たせてるんで、余計なことをしてるヒマないはずなんだが)、そこらへんを歩いていた偉そうな人をつかまえて、「これ見てくれませんか?」と頼む。だが、「エシカルファッションねえ」とパワポ資料をくしゃくしゃに丸められたうえ、おつきの秘書らしきイケメンからは「研修員は本社勤務から選ばれるそうですよ」と駄目押しされて凹みまくり。自分の気持ちをわかってくれるのはトレントさんだけだ!と思い詰めて、ついにその晩チャットにあらわれたトレントさんに「会ってくれませんか?」と言ってしまう。もちろんチャットレディ的には直接会うのは絶対の御法度。まあ普通は男のほうから会ってくれって迫られるもんだけどね! そんなわけでお店を飛び出して指定されたオシャレなプールサイドのカフェにやってきた奏子。待てど暮らせどそれらしき人は現れず……で振られてしまったのだった。

 

443f2910ab9081e6c5fb7aa8c00ee84d2

(残り 1825文字/全文: 3348文字)


ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

tags: AKB48 りん(パラレルドリーム) 今野恭成 大橋孝史 平野礼 折井あゆみ 村川康敏 牧田哲也 能塚裕喜 野渡駿 鈴木まりや 長井秀和 青山雪

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ