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柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『銀魂』 テレビじゃそれで話題になって三秒で忘れてよかったねで済むのかもしれないけど、ここは映画なんだっつーの (柳下毅一郎)

公式サイトより

8/4 『皆殺し映画通信 地獄旅』発売記念イベント @渋谷 のお知らせ

 

銀魂

監督・脚本 福田雄一
原作 空知英秋
音楽 瀬川英史
出演 小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、新井浩文、吉沢亮、早見あかり、ムロツヨシ、長澤まさみ、岡田将生、佐藤二朗、菜々緒、安田顕、中村勘九郎、堂本剛、山寺宏一、山田孝之

 

みんな大好き福田雄一監督2017年の新作。原作は空知英秋の同名コミック(『週刊少年ジャンプ』連載)で、楽屋落ちを連発するスラップスティックコメディだそうである。残念ながら原作は未読なので、楽屋ネタのどの程度が原作準拠なのかよくわからない。本作は評判が悪くないようで、まさか福田雄一がついにおもしろい映画を作ってしまったのか……!? と期待半分恐怖半分で見に行ったのだが、うん、大丈夫、いつもの福田雄一だったよ。笑えるギャグがなかったわけじゃなく、銀時(小栗旬)が秘密兵器を求めて平賀源外(ムロツヨシ)のところへ行くと「今あるのはこれくらいかな~あーでも人から依頼された修理品だからダメだよ」って言って見せるとそこにシャアザクがある!というネタはさすがに笑った。が、そのあと延々とシャア(六角精児)とのやりとりをやってたりするのは致命的にダサい。一度受けたら延々とギャグをくりかえすダサさが福田雄一風味である。

映画自体は楽屋落ちのギャグ、くだらない話にこれだけの豪華キャストが集結! というところでほぼ終わっていて、つまりは出落ちなのである。あとはそれを延々とゴリ押しし続けるだけ。後半、糞面白くもないチャンバラ(腰のひけた刀のふりあい)がいつまでもいつまでも続くのには本当にうんざりした。福田雄一はどうやら本気でこれがギャグだけじゃなくてかっこよくてシリアスでアツい話だと思っているらしい。この人、真底テレビの人なんだなあ。楽屋落ちギャグだけを延々と繰り出すのならまだ理解できないでもなかったが(それでも15分がせいぜいだけど)、中村勘九郎が全裸で全身に蜂蜜を塗って突っ立ってる(=こんな有名人にこんなくだらないことやらせてる)とかアピールされてもさ……テレビじゃそれで話題になって三秒で忘れてよかったねで済むのかもしれないけど、ここは映画なんだっつーの。

さて、物語は改変世界の江戸時代。宇宙から「天人(あまんと)」と呼ばれる宇宙人たちが来襲して幕府は開国する。宇宙人を嫌う武士たちは「攘夷戦争」と呼ばれる排外戦争をくりひろげるが敗北し、帯刀を禁じられてその地位はすっかり軽んじられている。かつて「白夜叉」と恐れられた攘夷戦争の勇者坂田銀時(小栗)は、いまではすっかり腑抜けて江戸の片隅で新八(菅田将暉)と神楽(橋本環奈)と一緒に便利屋「万事屋」を営んでいる。政府の配下にある真撰組の近藤局長(中村勘九郎)、副長土方(柳楽優弥)、沖田(吉沢亮)らとやりあったりしながら(将軍のペットだった黄金のカブトムシをつかまえようとするとか)のほほんと暮らしている。そんな彼になんやかやとかまってくるのが攘夷戦争の戦友である桂小太郎(岡田将生)。ある日、銀時と別れたあと、桂は謎の辻斬りに襲われ、消息を絶つ。

 

 

 

そのころ、銀時は刀鍛冶の村田鉄矢(安田顕)から仕事の依頼を受ける。村田が打った妖刀紅桜が何者かに盗まれたので取り戻してほしいという。村田は刀の打ちすぎで(四六時中トンカンやってるので)耳が悪く、すべての言葉を大声で喋る。安田顕がいちいち大声でセリフを言うのがおもしろく……ないよ! 帰ってきたところで銀時は辻斬りに遭遇。その相手は紅桜を手にした「人斬り似蔵」こと岡田似蔵(新井浩文)であった。桂も斬ってやった、とうそぶく似蔵に

「ヅラがおめえみたいなチンピラに切れるもんか」

と言いかえす銀時だったが紅桜を手にした似蔵の勢いに防戦一方、ズタボロにされてとどめを刺される瞬間、飛び出した新八が紅桜ごと似蔵の右腕を切り落とし、九死に一生を得る(似蔵は紅桜を持って逃亡)。

 

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