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柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『ミスムーンライト』 新潟県新発田市発のJKムービー!全員が「新発田市のために一肌脱ぎます!」と水着になって終わるんだが新発田市はそれでいいのだろうか?(柳下毅一郎)

公式サイトより

 

ミスムーンライト

監督・脚本 松本卓也
撮影 岩崎登
出演 梅村結衣、雛形あきこ

 

face「JK×アイドル×ゴースト×大人=もろ肌」 新潟県新発田市発のJKムービー! 全編主観映像とかそういう仕掛けが考えられているんだが、あまり徹底してないうえに「幽霊の主観映像」みたいなのまで出てきて「それってどうなの?」と頭を抱えずにいられない案件である。だが、そんなことよりも個人的に驚いたのは主演が「『ワンネス~運命引き寄せの黄金律』の梅村結衣」というところだ!!! なんとあのもりけん映画のヒロインが再登場! ちゃんともりけん以外の映画で活躍してるだなんて、胸が熱くなる展開である。主題歌も歌っていたアマチュア無線アイドル星野聖良はどうなったのか?(実は東大工学部卒の現役院生だったらしいので、真人間に戻ったのかもしれぬ)残念ながらもりけんは出ていないが、もりけん関連作品として見逃すわけにはいかないぜ!

 

 

 

さて、ヒロインのマキ(梅村結衣)は新発田市在住の女子高生。映像部では監督をつとめ、新発田市のPR映画を製作して市に納品する。観光大使かなんかやってる微妙なグラドルSHIHO主演の観光ビデオ、いかにも高校生が部活で作りました的な見事に味のない映像なのだが、顧問の教師も市役所側も「素晴らしいですね!」と絶賛の嵐(ちなみにこのありさまはすべてメイキングを撮っているという同級生クラのカメラに収められている)。ところが家に帰って姉に見せると「正直平凡だな~つまらない!」と辛口の本音を言われてしまう。誰が見てもつまらないので当然なのだが、ここにいたってようやく悩みはじめたマキ、顧問にかけあって作品を再提出させてもらうことにする。

「えー、あれでいいって言われたじゃないか」
「いや、もっと面白いの作りますから!」

で、その「もっと面白くするアイデア」なんだけど、クラが撮ってる温泉旅館のPRビデオを見ているうちに「お色気だ!」と思いつく。「水着で撮りましょう!」いやいや女子高生がそんなことでいいのかよ。別にそんなの面白くないしな! だがしかし、水着のアイデアにとりつかれたマキ、(他の仕事で)撮影中のグラドルSHIHOに「水着になってください!」と押しかけて直談判。「いや無理なんですけど」と言われてもまったく聞かず、「大丈夫ですよ面白いですから」しか言わない。当然ながら断られてしまうのだが、「いいですよ誰でも水着なら」と出会う人に片っ端から水着を押しつけて「新発田市のために一肌脱いでください!」と迫る水着マニアの狂人と化すのであった。

 

ここで話は一端中断、撮影会などやっているソロアイドル、ミサコが登場する。ミサコのまわりを五人の少女が手でファインダーを作って飛びまわっている。不思議なことにキャッキャ言ってる少女たちのことはみんな無視。これ、実はのちに判明するのだが、ミサコが昔やっていたアイドルグループのメンバーたち。下水道でPVを撮影中、有毒ガスにまかれてミサコ以外のメンバーは全員死んでしまったのだ! ってなあ……そんでもって手でファインダーを作ってるのが撮影してることになってるらしくて、つまりこのシークェンスは幽霊の主観映像! もうこの時点で全編主観映像とかいう意味がどっかにいってしまっている。しかもカメラで撮ってるわけじゃないんで、じゃあこの手ぶれ映像はなんなのか。まあ幽霊の主観なんで、誰も見ていないはずの映像もあって話がわかりやすく……って見事に主観の意味がない!

 

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tags: 地方発映画 岩崎登 新潟県 新発田市 松本卓也 梅村結衣 森田健 雛形あきこ

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