柳下毅一郎の皆殺し映画通信

▽[今週の殺し屋日記] 柳下毅一郎のGW アレクセイ・バラバーノフ監督『私も幸せが欲しい』『アフガン発・貨物200便』・『リヴァイアサン』、『ダークシステム2 時の牢獄』、『オブリビオン』、『ハナ~奇跡の46日間』

4/27(土)

 本日よりGW日記。

六本木ヒルズに出かけてTOHOシネマズにてめめめのくらげ。TOHOシネマズは全面的にめめめ展開をしてました。

夜、イメージフォーラムフェスティバルでロシアのアレクセイ・バラバーノフ監督私も幸せが欲しい。いやこれ本当に「オレも幸せになりたい」っていうだけの映画だった。でも幸せにはなれないの。理由なんかないの。すごい。

 


4/28(日)

 シアター・イメージフォーラムに行ったらボスに「ちょっと寄ってきなさいよ!」と言われて炊き出しのカレーライスをお相伴にあずかる。食事の出る映画祭なんてここだけだ!

で、満腹でバラバーノフアフガン発・貨物200便。冒頭に「実話に基づく」と出るんだが、いったいどこが実話なんやー!と叫びたくなる出鱈目な殺人劇。

だがあの路傍の飲み屋に漂う絶望感は本物だから困る。たぶん実話なのはアンドロポフ書記長が死んだところまでなのでは。

 


4/29(月)

新宿パークタワーホールでリヴァイアサン。イメージフォーラムフェスティバルで上映された水産業ドキュメンタリーなのだが、予告を見てもらえばわかる ようにともかく凄い。超小型のカメラを使って、甲板上や水中の光景をクリアに写す。日常的な漁のありさまがまるで黙示のように描き出されるのだ。恐るべき 傑作。

http://www.youtube.com/watch?v=GEQoB_aRB3c
 その足で渋谷にまわり、オーディトリアム渋谷で開催中の〈ダークシステム・ダブルリベンジ 動くな!死ね!甦るな!〉こと幸修司監督の『ダークシステム』アンコール上映に行く。

今日は『ダークシステム2 時の牢獄』のあと参考上映作品があってトーク。ほとんどこの「参考上映作品」をオレに見せたいがために仕組まれたようなトークだったのだが、これが実に素晴らしい、だが絶対に中身についてはどこにも書けない映画だった。

大学時代の製作らしいが、すでに作風が確立している。

 


5/1(水)

連休なので朝のみ。朝から赤羽のまるます家で飲む。赤羽って本当に酒飲みの地獄というか天国というか、たぶん赤羽に住んでたら絶対に映画とか行けない。

昼間に試写に行こうと駅まで歩いてきたら、途中の立ち飲み屋につかまってオワタ……だね。

さんざん飲んで昼過ぎに帰って寝る。

 


5/2(木)

東宝東和試写室でトム・クルーズのオブリビオン

なんつーか、「ダンカン・ジョーンズぽい」映画だったな。「ダンカン・ジョーンズぽい」をわかりやすく表現する言葉があるといいな。

『図書館戦争』。思わず疑問で頭がいっぱいになってしまったので原作小説まで買ってしまった(コンビニで売ってた)。しかし何も解消されなかった。

てかこの原作が読書家に愛されてるとか、もうね……


5/3(金)

下北沢のセレクト書店B&B (Book&Beer)で「監督失格」まで: 映画監督・平野勝之の軌跡発売記念の平野勝之とのトークイベント。ダラダラ喋りながらAVをいろいろ見せるというたいへんゆるいイベントでした。

でもめったに見られない作品を見れて、お客さんはせられて良かったんじゃないかな。平野さんの井口愛が詰まっていました。井口くんにとってはありがた迷惑な愛かもしれないが。

お客として来てくれた小口容子さんも交えて打ち上げ。


5/5(日)

オーディトリアム渋谷でハナ~奇跡の46日間

1991年、千葉で開催された世界卓球選手権に統一コリアで出場し、女子団体で優勝を飾った感動の実話を映画化。世界ランク三位の北朝鮮のエースをペ・ドゥナが演じる! すべておさだまりの展開なんだがちゃんと感動するから困る。

その後アシパンで高橋ヨシキくんのDJを見るなど。

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