柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『サンゴレンジャー』 – ポーズつけるだけで伝説!って・・・ (柳下毅一郎) -3,289文字-

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『サンゴレンジャー』

監督 中前勇児
脚本 三浦有為子、高橋麻紀
撮影 斑目重友
音楽 北浦正尚
出演 青柳翔(劇団EXILE)、田中圭、佐々木希、菅原大吉、水橋研二、高畑淳子、菅田俊、夏八木勲

ico_yan 石垣島で勤務する環境省自然保護官(=レンジャー)岸谷(田中圭)は、ある日、知床送りになっていた“問題児”が石垣島にまわされるので迎えに行けと命じられる。空港で待っていると、荷物のカルーセルに自転車が出てくる。それをはっしとわしづかみにする毛皮をかぶった野生児。そのまま自転車に飛び乗って、ターミナル内を爆走。自動ドアをぶっとばすと、ドア脇にゲロをもどす(ぼかしあり)。

「あなた、矢島さん?」
「行くぞ!」
「じゃあ車乗ってください」
「着いてこい!競争だ!」
「は!? へ!? どこまで!?」
「わからん!」

 とそのまま自転車で走りだす矢島(青柳翔)。山を越え谷を渡り自転車をかついだりカヌーに乗ったりで気がつくと海(石垣桟橋)まで来ている。

「おいおい負けちゃったよ」

 岩場に立って祈りを捧げる男。

「まさか!」

 と悲鳴をあげた娘が。小学校教師の島袋リサ(佐々木希)。この映画、主要登場人物はすべて初登場時に肩書きと名前がクレジットされる親切設計。どこをどう見ても石垣っ子には見えない秋田美人佐々木希を見て「あ、人魚……」とつぶやき落ちる。

「こうしてぼくの忘れられない暑い夏がはじまった」

 また、劇団EXILEか……経緯としては沖縄を拠点に映画作りを続けるプロデューサーが環境問題提言ユニットによる原作小説に出会い、サンゴの保護を訴える映画を作ろうとしていたのだという。で、サンゴを守るレンジャー、それならサンゴレンジャーだ!というわけで世にも安易にできあがったスーパー戦隊ものなのだが、サンゴレンジャーって、どうやってサンゴを守るんだ……?

「それは……これから考える!」

 ああ、またなんのアイデアもなく、熱意だけでなんとかするタイプの映画なのか……

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(残り 2509文字/全文: 3314文字)

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tags: 中前勇児 佐々木希 劇団EXILE 夏八木勲 田中圭 町おこし 青柳翔

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