柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『ダイヤモンド』 三ノ輪商店街ロケ決行!元プロ野球選手豪華9人出演の任侠映画 - (柳下毅一郎) -2,953文字-

FireShot Screen Capture #108 - '映画「ダイヤモンド」公式ホームページ' - www_diamond-movie_net

ダイヤモンド

監督 本間利幸
脚本 久世英之
撮影 福澤亮介
出演 町田啓太(劇団EXILE)、板尾創路、宮地真緒、足立梨花
高橋慶彦(広島)、松永浩美(阪急)、鈴木健(西武)、パンチ佐藤(オリックス)、ギャオス内藤(ヤクルト)、元木大介(巨人)、田中一徳(横浜)、角盈男(巨人)、愛甲猛(ロッテ)

face「元プロ野球選手総勢9人出演の任侠映画」って聞いたらてっきりダイナマイトどんどんみたいなもんか? ヤクザが野球するんか?と思うやんか~ところがぎっちょん、主人公が元プロ野球選手という設定こそあるが、これ、基本的にはただのヤクザ映画。しかし主要キャストに素人を九人揃えた映画って、それただの演技の下手なVシネやん?と思ったあなた、はい大正解! そういうわけで、またしても誰のために作られたのかよくわからない映画を見てしまった……

ヤクザに追われて逃げているチンピラ。追い詰められてあわや、というところにぬぼーっとあらわれた男が相手を一喝、ヤクザ者はとっとと逃げていく。この男こそ三ノ輪の商店街とともに生きるヤクザ、北野組の若頭西田(高橋慶彦)。「おまえ、野球できるか?」とチンピラのタケト(劇団EXILE)を勧誘する。北野組は三ノ輪商店街を縄張りに(またえらくちっこいシノギやな~)、「町の人たちとともに歩みゆくことを忘れない」をモットーにする地元密着型ヤクザである。悪徳不動産屋が寝たきり老人の不動産を騙し取ろうとした一件を解決するなど、町で愛されるヤクザを目指している。商店街会長遠藤(松永浩美)率いる商店街チームと草野球の交流戦も忘れない。試合の後は瀬戸(鈴木健)の居酒屋で打ち上げ。「人は一人じゃ生きられない」と教えれたタケトは西田を慕って一生ついていこうと決める。

だがそれから四年。暴対法施行とともに商店街は暴力団排除運動を進め、いつしか交流戦も途絶えて瀬戸の居酒屋も暴力団お断りとなった。恋人(ものすごく安い感じになっている宮地真緒)を連れて行って門前払いをくらった劇団EXILE、暴れて北野組の先輩(元木大介)から大目玉をくらう。ところで三ノ輪商店街には四年前から「がんばろう日本」の横断幕が張ってあるんだが、これたぶん張られたの東日本大震災のあとのような気がするな~

低予算映画はつねにロケに苦労するものだが、これは三ノ輪商店街全面協力。なので事件はほぼすべて商店街のアーケードの中で起こるという斬新な構成。細かくカットを割るでも、アップに耐える演技をするでもないので、ほぼおっさんが突っ立ってぼそぼそと滑舌悪くセリフをいうのを漠然としたミドル・ショットでとらえるだけというシーンが続く。なんで登場人物がみなこの商店街に歩いてくるのかはわからないのだが……

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tags: スポーツ 三ノ輪 劇団EXILE 宮地真緒 本間利幸 板尾創路 町おこし 町田啓太 足立梨花 野球 高橋慶彦

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