柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『キャプテンハーロック』 -いくら松本ワールドだって、もうちょっと考えてくれよ!(柳下毅一郎) -3,703文字-

FireShot Pro Screen Capture #127 - '9_7(土)公開『キャプテンハーロック』公式サイト' - harlock-movie_com

キャプテンハーロック

監督 荒牧伸志
脚本 福井晴敏、竹内清人
音楽 高橋哲也
出演 小栗旬、三浦春馬、蒼井優、古田新太

宇宙海賊キャプテンハーロック -電子版- 1 face キャプテン・ハーロックって言えば古代守で、鉄郎に向かってやたらかっこつけたセリフ言う人でしょ~という程度の認識しかない自分にとっては、そもそもなんでこんなものが今頃映画化されなきゃならないのかさっぱりわからない。しかも人間含めフルCGアニメ。それって『ファイナルファンタジー』!?と思いつつ見たんだけど、え!? 『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』ってこんな話やったっけ? これオレが知ってるハーロックと違う……

遠い未来、銀河に散らばった人類は衰退し、いつしか故郷たる地球に戻ろうと思いはじめた。だが銀河に散らばった5000億人の人類すべてが地球に戻れるはずもない。帰還の優先権をめぐって戦争が引き起こされた。これをカム・ホーム戦争と呼ぶ(言いたかないけど、この呼び名ダサイよ!)。不毛な戦争に終止符を打ったのはガイア・サンクションの成立であった。地球を人類立ち入り禁止の聖域として保護することで平和を保つという妥協である。だが、その絶対平和に敢然と反旗を翻し、自由を求めて戦う一隻の宇宙船があった。宇宙空間に髑髏の骸骨旗をひるがえす、キャプテン・ハーロック(小栗旬)率いる海賊船アルカディア号であった……

アルカディア号の欠員募集に応募したのがヤマ(三浦春馬)。他にやってきた男たちが「何を求めてきた?」「め、名誉!」失格!(で奈落に落とされる)「金!」失格!と落とされていく中、最後に残って「自由!」と叫んで拾われる。いや、そもそもアルカディア号の旗印が「自由」だってオレだって知ってるし、前の奴が順番に落とされて最後の一人だから自動的にくりあがったような気もするし、なんだかなあという選抜儀式。ともかくメンバーになったヤマ、さっそく志願して危険な次元振動弾の設置作業に参加する。全宇宙に百個の次元振動弾を仕掛けるのがハーロックの目的であり、ガイア・サンクションは艦隊をくりだし、それを阻止しようとしていたのである。

気になるのはジェームズ・キャメロンからの「空前の出来、もはやこれは伝説だ。神話のように想像力にあふれ、壮大なスペクタクルと、今まで見たことのない映像がここにある」との賛辞までもらったCG。いまさら指摘するまでもなく、CGの最大の弱点と言えば人間の皮膚の質感である。無機物、メカはそれなりに表現できても、人間になったとたんにのっぺりして異常にCG臭くなる。その割には髪の毛の動きとかには無駄に凝ってたりして、『ファイナルファンタジー』のころから何も進歩してないじゃないか! いちばん大事なはずのハーロックの傷跡も露骨に描いてあるだけで立体感がない。テクスチャー貼られて「傷跡でござい」って言われてもな……金髪に青い眼のCGキャラが日本語で喋ってるのを聞くといろいろがっかりするんだが、ヒロインのケイは無重力下での入浴シーンとかあって、CGキャラのサービスヌードとか……誰へのサービスなのよこれ。

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