『陽だまりの彼女』 -女子は本当にこんな恋愛がしたいのか?まさかの二度びっくりのメルヘン展開・・・ (柳下毅一郎) -3,383文字-
監督 三木孝浩
脚本 菅野友恵、向井康介
撮影 板倉陽子
音楽 mio-sotido
出演 松本潤、上野樹里、玉山鉄二、夏木マリ、塩見三省
これ、思わぬ傑作というか、あっとびっくりになる可能性もあったんだよな。なぜならなかったかというと監督と脚本がいけない。いや脚本はまだしもなんだが、演出がよろしくない。何がよくないのかと言うとだね……
奥田浩介(松本潤)は社会人二年目の25歳。学生の弟に「兄貴はあいかわらず非モテかよ」と馬鹿にされる彼女いない歴ウン年の鉄オタである(部屋に江ノ電の駅名プレートなぞ飾っている)。会社では同僚の美人に「こ、今晩……食事でも?」と声をかけるも「わたし、今度結婚するんですよ。奥田さん遅いですよ」と歯牙にもかけてもらえない。慌ててプレゼン先へと飛び出す。鉄オタらしく(株)日本レイルアドという鉄道の車内広告専門の広告代理店に勤めているのだ。今日のクライアントは下着会社ララ・オロールであった。相手担当者の顔を見てはっとする浩介(当然スローモーションかなんかになって)。
「きみ……もしかして渡来(わたらい)さん?」
「コ……奥田くんだよね」
なんと中学生のときの同級生渡来真緒(上野樹里)と十年ぶりの再会なのであった。その様子を見ておもしろくなさそうなのが真緒の上司玉山鉄二。
家に帰ると弟に「渡来さんって覚えてる?」と語りかける浩介
「あ、マーガリン事件の娘? 可愛くなってた?」
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