▽[殺し屋日記] 柳下毅一郎の1/1-15 『天使のはらわた 赤い淫画』『ラッシュ/プライドと友情』『アメリカン・ハッスル』『コワすぎ!』『ニシノユキヒコの恋と冒険』「タマフィルム2014 」
1/1(水)
一年の計は元旦にあり。なので青山MANDALAにエンケンを見に行く。
正月一日からエンケンなんて、きっと今年はいい年になるに違いない。ライブではエンケン特製みくじが配られ、ぼくは見事大々吉を引き当ててやった!と小躍りしていたのだが、隣席のお客さんは大々々吉を当てていた。エンケンをなめてはいかんね。
ライブはもちろん血尿が出る素晴らしさ。久しぶりに湯川トーベン、トシとのエンケンバンドでの演奏も聴けてチョー最高だった。67歳の人に元気をもらってるってのもどうかと思うが、エンケンだけは特別なんだよ。ワッショイ!
1/2(木)
映画はじめ。シネロマン池袋で『天使のはらわた 赤い淫画』見る。
並びの席で何やらよからぬことがおこなわれていたが気にしないで映画に専念。
シネロマンはあいかわらずハードコアだぜ。
1/5(日)
下北沢トリウッドに出かけ、亀二号主演のVシネ『ヒットマン』を見る。
客は四人ほどだったが、うち約一名がものすごい勢いでメモを取っていたので、ひょっとしたら同業者の方だったのかもしれない。
しかし、ほとんどそんなメモを取る必要があるような内容には思えなかったのだが……
1/6(月)
洋泉社新社屋(御茶ノ水駅近く)に出かけて町山とskype対談。
映画秘宝ベスト10号向けにベスト10の講評をするって奴。例によってぼくがさぼっているのでいろいろ迷惑をかけております。
なお、対談の後半はさる……についていろいろ取材したんですが、もちろん何も書けません。
1/7(火)
GAGA試写室で『ラッシュ/プライドと友情』見る。
伝説のF1パイロット、ニキ・ラウダとジェームズ・ハントのライバル関係を描いた映画。
たいへんおもしろいのでお勧めなのだが、しかし史実は変えようがないという問題があってだね……
1/8(水)
アスミック・エース試写室で『アメリカン・ハッスル』。
見終わったあと、思わず「エイミー・アダムズ ノーブラ」で検索してしまう。
1/9(木)
京王百貨店の駅弁大会はじまる。
とりあえず初日から出かけた。
夜、本WEBマガジンの単行本化に向けて松江哲明くんを招いて対談。
松江くんからは白石晃士監督の『コワすぎ!』シリーズを激推しされる。すいません見ておりませんので今後精進いたします。
1/11(土)
以前から前を通るたびに気になっていた近所の飲み屋へ出かける。予想通りにいいお店でたいへん気にいった。
たまたま〈本の雑誌〉を持っていたので、カウンターの女の子との会話の流れで「何やってるんですか?」「いやここに出てるんだけど」と古本せんべろツアーのことなど話し、「なんか掘り出し物があるかもしれないとか思っちゃうんだよねえ。ロマンだよねえ」とか適当なことを言ってたら「素敵ですねえ」とか言われてしまった。まさかの古本モテの時代が来たか!
1/12(日)
オーディトリアム渋谷で『HO ~欲望の爪痕』見る。映画のはじまる前、場内では水着のダンサーが踊ってたりしていてたいへんなものだった。
映画はものすごく難解で、わたしごときにはとうてい手の負えないものであった。そして見たら中原翔子さんまで出ていた……
1/13(月)
多摩美上野毛校の製作発表タマフィルム2014 に出かける。全作品を見て講評するというお仕事なのですが、これ、たぶんみなが思っているよりもずっと楽しいんですよ。今年の作品はどれも傑作揃いで、そのまま公開できるんじゃない?と思えるような作品もいくつもあったりして、本当に報われた思いでした。なお、個人賞として一作品に賞を出したら、某傑作を作った監督から「なんで賞くれないんですか!」と怒られてしまいました。「ぼくは柳下賞が欲しかったのに!」だいじょうぶ、きみにはこれからいくつも賞をさしあげるチャンスがありますよ。
なお、今年は青山真治監督の新作映画まで上映されてしまったので、青山真治研究を志す人は、フィルモグラフィーの欠落を埋めるためにもタマフィルムに来るといいと思いますよ!
1/15(水)
東宝試写室で『ニシノユキヒコの恋と冒険』見る。
久しぶりに東宝試写室に来ました。
ふだんは呼んでくれないんですよここ。