柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『僕は友達が少ない』 -ラッキースケベ乱発のスクリューボール・コメディこそ、ラノベ映画の目指す道 (柳下毅一郎) -3,382文字-

FireShot Screen Capture #206 - '映画『僕は友達が少ない』公式サイト' - www_haganai-movie_jp

『僕は友達が少ない』

監督・脚本 及川拓郎
撮影 小林元
音楽 海田庄吾
出演 瀬戸康史、北乃きい、大谷澪、高月彩良、神定まお、栗原類

ico_yan これ「はがない」て言うんですってね。ひらがなだけつなげて読むとそうなるからなんだそうです。もちろん周知の話なんでしょうが、ラノベ文化にうといぼくは全然知りませんでした。勉強になるなあ。さて、累計600万部のベストセラーラノベの実写映画化だそうですが、ぼくはもちろん読んでません。で、この映画を見ていてひとつ思ったことがあります。潔く柔くのレビュウの中で「長澤まさみには無責任キャラがいちばんよく似合うんだからスクリューボール・コメディを撮るべき」みたいなことを書きました。でも、当然ながら今の日本でスクリューボール・コメディなんか作れるわけがない。だがこの映画を見ていて思いついたわけです。つまり、ラノベ原作ならスクリューボール・コメディ作れるんじゃないかな? そういう企画たてる人、どっかにいないかなあ?

さて、主人公の羽瀬川小鷹(瀬戸康史)は英国人の母と日本人の父とのあいだに生まれたハーフの男子高校生。金髪で目つきが悪く、人見知りなのでヤンキーと思われてクラスでも孤立。だから「僕は友達が少ない」。そんな彼はある日の放課後、クラスで三日月夜空(北乃きい)が一人で宙に向かって話しかけているのを目撃する。これはどう見ても電波の娘! だが夜空はいつか友達ができるときのためにエア友達のともちゃんと会話の練習をしているだけで、自分はいたって正常だと主張する。すなわち夜空もまた友達のいない子だったのだ。まあぶつぶつ独り言で会話のふりをしているような電波少女と誰が好きこのんで友達になりたがるだろうか? そこで夜空ははた!と何事かを思いつく(というか、人見知りとか言ってるくせに普通に人と会話していて、「友達ができない」という意味が最初からよくわからないんだけど、そこ突っ込んじゃいけないんだよね?)。翌日、夜空に強引に校舎の空き部屋まで連れていかれる小鷹。

「いいことを思いついたわ。今日からここで部活動はじめるから! このチラシを貼ってきて!」

そこには「隣人部」の文字が。

 

「どうしたら友達作れるの?」と小鷹に訊ねて「部活とか……」「四月ならまだしも、もう人間関係ができあがった中に入れるわけないでしょ!」みたいな会話になった夜空。じゃあ自分だけで部活をはじめ、そこで表面だけの友人関係を作る練習をし、うまく行けば真の友人になればいい!と夜空は思いついたのである。こうして友人を作るための「隣人部」というよくわからない部活動がはじまった……!

 

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