柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『ノア 約束の舟』 全編息つく暇が無いほどツッコミどころ満載。アロノフスキー版ノアの箱舟が正真正銘の激ヤバ物件! [♪akiraのスットコ映画の夕べ] -3,900文字-

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ノア 約束の舟(2014/米)

監督 : ダレン・アロノフスキー
出演 : ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、レイ・ウィンストン

 

 

ひょっとこノアといえば箱舟、箱舟といえばノアというように、キリスト教に詳しくなくても有名ですが…、えーと、こんな話だったっけ??  いろんな意味で正真正銘の激ヤバ物件! エメリッヒを超えたジェノサイド! そして挑戦的なまでのスットコっぷり!!

タイトルの『ノア』(原題ではNoahだけ)って、ほぼ『ハルク』とか『大魔神』とか『ゴジラ』と同じカテゴリーでは…(本国版ポスターなんてどう見ても大量殺人鬼)。そんなノアの危険すぎる生涯の物語(アロノフスキー版)とは!

アダムとイブには3人の息子がいた。カインはアベルを殺して最初の殺人者となり、創造主(戸田奈津子の字幕では神)の怒りを受け、ウォッチャーズという岩石巨人に変えられた堕天使たちに見張られていた。時がたち、3人目の息子セトの子孫ラメックはアベルの子孫トバル・カイン(レイ・ウィンストン)に見つかり、息子ノアを逃して殺される。

 

 

デカく育ったノア(ラッセル・クロウ)は、妻ナーマ(ジェニファー・コネリー)に3人の息子、セム、ハム、赤ん坊のヨハトと幸せに暮らしていた。奇跡を目にしたある日、大洪水で人類が死に絶える夢を見た。一家は祖父の住む山を目指して旅に出るが、途中、他部族の襲撃を受けた村で生き残っていた少女イラを見つけ、一緒に連れて行く。

一行の前に恐ろしいウォッチャーズの一群が立ちふさがる。が、その内の一人(?)シャムヤザ(声:ニック・ノルティ)は、かつて祖父の友人だったため、仲間に逆らい一行を助けて一緒に山に行く。祖父メトセラ(アンソニー・ホプキンス。台詞で”A cup of tea”って2度も言うという、旧約聖書でさえイギリス人キャラ。茶どころかイギリスすら無いっての!)にノアは一粒の種をもらい、たどり着いた荒地にそれを埋めると、次から次へと木が育ち森となった。創造主のお告げにより、大洪水から生き物を救うために箱舟を建設し始めるノアだが、いかんせん人手不足。そうだあいつらに頼めばいいじゃん!と名指しされたのは4本腕のウォッチャーズの皆さん。シャムヤザに説得され、ぶつぶつ言いながらもノアを手伝う…ってこれ、エピソードといい巨人の動きといい、まんま『トランスフォーマー』なんですが!

数年に渡る巨人たちの無償労働により、いまや箱舟は完成寸前。息子セム(ダグラス・ブース)とハム(ローガン・ラーマン)は青年、ヨハトは少年となり、イラ(エマ・ワトスン)は年頃の美少女に。きキャッキャとたわむれるセムとイラを見て、「俺も相手が欲しいんだよとーちゃん!」と必死の青年の主張をするハムだったが、「いつか現れる」と適当な返事をする父。箱舟にはつがいの動物がどんどん自発的に乗り込んでくるので、妻手製の眠り薬で軟禁するのに忙しいのだった。しかしそこに空腹を抱えた大勢の手下を連れてトバル・カインがやってきた。家族以外の邪悪な人間たちを箱舟に乗せるつもりは毛頭ないノアは、ウォッチャーズの助けを借りて敵を蹴散らす。一旦引き下がったトバル・カイン勢は、箱舟を奪い取るべく武器の作成に全力を傾ける。<その労働力で舟造ったらいんじゃね?という真っ当な疑問

 

 

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tags: ダレン・アロノフスキー ラッセル・クロウ

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